豪州、空軍の多用途無人機MQ-28Aに追加予算4億豪ドル
豪州政府は、豪空軍やボーイングと共同開発した無人機MQ-28A「ゴーストバット(Ghost Bat)」の継続的な開発に、3億9900万豪ドル(約394億円)の追加予算を計上した。 MQ-28Aは、ボーイング・ディフェンス・オーストラリアと共同開発した軍用無人機で、「共同開発戦闘機(CCA: Collaborative Combat Aircraft)」と呼ばれている。全長11.7メートル、航続距離は3700キロメートル以上。AI(人工知能)を活用し、ほかの有人機や無人機と連携しながら情報収集・警戒監視・偵察・電子戦などの任務を遂行する。 豪州政府によると、同国で設計・製造される軍用機は50年以上ぶり。現在、能力向上型「ブロック2」のMQ-28Aを3機受領する計画で、同プログラムの次の段階を進めている。今回の追加予算により、センサーとミッションのペイロード、統合戦闘システム、自律システムの開発に注力していくという。 これにより、豪州国内で350人以上の雇用が確保され、200社以上のサプライヤーに継続的な仕事が保証されるとしている。ボーイングによると、開発には豪州の35社以上が参画しており、BAEシステムズ・オーストラリア、RUAGオーストラリア、フェラ・エンジニアリング、AMEシステムズが含まれる。 ゴーストバットは豪州原産の哺乳類で、群れをなして探知や狩りをすることから、MQ-28Aの特徴や能力にふさわしいと名付けられた。検証段階では「ロイヤル・ウイングマン(Loyal Wingman)」と呼ばれていた。また、ボーイングでは「エアパワー・チーミング・システム(ATS: Airpower Teaming System)」と呼んでいる。
Tadayuki YOSHIKAWA