サンマは減少、ウニは空っぽ 不漁、円安、需要のひっ迫、「2024年問題」…危機に直面する日本の水産資源の見通しを専門家が解説
海産物は希少なものに
こうした中、国内での魚の「物流費用」も値上がりしているため、価格上昇の波は長期間に渡って続くと有路教授は指摘する。 ーー「物流の2024年問題」も影響? これまで日本国内の魚の物流は、「市場便」(市場と市場、産地と市場間を輸送する専用の便)という世界で最も安い物流方法で回っていましたが、「物流の2024年問題」(2024年4月1日以降、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が年960時間に制限されることにより発生する諸問題)でこの物流事情も変わり、かなりコストが上がりました。 今まで1キロ当たり約100円で届いていたものが150~200円かかるようになり、物流コストの上昇は販売価格に反映されるため、刺身は100グラム当たり30~40円ほどの値上がりとなっています。 ーー食卓を直撃ですね? 日本人が大好きなサーモンはほとんど海外から輸入していますが、3~4年前は1キロ1000円しなかったのが今は1400~1500円します。そのため回転寿司も値上がりせざるを得なかったし、スーパーマーケットの価格も上がっています。 こうした価格上昇の傾向は長期化が見込まれ、海産物は希少なものになっていくと思われます。
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