【2024 Moto3 第15戦インドネシアGP】D.アロンソが抜群の勝負強さをみせ今季9勝目! 次戦日本GPでのタイトルに王手!
苦しい展開もアロンソが見事なマネジメントで今季9勝目を挙げる
2024年9月27日から29日にかけて、インドネシアのロンボク島にあるプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットでMotoGP第15戦インドネシアGPが行われた。Moto3はランキングトップのダビド・アロンソ(CFMOTO Valresa Aspar Team)がここまで8勝を挙げ271ポイントを稼いでいる。ランキング2位のダニエル・オルガド(Red Bull GASGAS Tech3)に対し82ポイント差をつけているアロンソは、次戦日本GPで2位以下に100ポイント差をつけばタイトル確定となる。今大会はアロンソにとってメンタル的に最も厳しい週末になるだろう。 【写真はこちら】Moto3 第15戦インドネシアGPで活躍したライダーたちの雄姿 土曜日に行われた予選ではイヴァン・オルトラ(MT Helmets - MSI)がポールポジションを獲得した。2番グリッドはトップタイムを記録するも、最終的にオルトラに先行されたコリン・ベイヤー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)、3番グリッドにはラストアタックで一気にタイムを更新した古里太陽(Honda Team Asia)が入っている。 ランキングトップのアロンソは初日に転倒もあり予選は5位で終了。しかし、ポールポジションのオルトラにはプラクティスでのスロー走行により決勝でダブルロングラップペナルティを科されるため、アロンソにとっては追い風になるかもしれない。 日本勢は鈴木竜生(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が7番グリッドを獲得、山中琉聖(MT Helmets - MSI)はタイムを更新することができず、17番グリッドからのスタートとなった。 気温29度、路面温度58度のドライコンディションの中、20周の決勝レースがスタート。予選3番グリッドから古里が好スタートを決めホールショットを奪う。しかし、ターン2から3にかけて順位が変動し、ベイヤー、エイドリアン・フェルナンデス(Leopard Racing)、古里、アロンソと続き、誰も抜け出すことなく、先頭集団は縦長に形成された。 ベイヤーが集団を引っ張る中、レースが中盤に差し掛かると、後方からオルガドや鈴木が先頭集団に追いつき積極的に前を伺っていく。鈴木は久々に上位集団でのレースとなるも、表彰台圏内に食い込むなど速さを見せていった。 そして12周目、ターン8でトップのベイヤーがまさかの単独で転倒。フロントが切れ込んでしまい痛恨の転倒リタイアとなってしまった。これでフェルナンデスがトップへ浮上。しかし、集団を引っ張っていたベイヤーがいなくなったことで、優勝争いは上位9台が絡む大混戦となった。 順位が入れ替わりながらレースは進み、フェルナンデスが先頭でファイナルラップに突入。フェルナンデスにとっては初優勝がかかる場面だが、ターン10でアロンソにオーバーテイクされ2位に後退してしまう。 アロンソはレース展開を読み切り見事トップチェッカー。今季9勝目を挙げランキング2位のオルガドとの差を97にまで拡げてみせた。アロンソは次戦の日本GPで2位以下に100ポイント差をつければタイトル決定。つまり、優勝すればライバルの順位に関係なくチャンピオンが決まる。 プラクティスでの転倒後、波に乗ることができなかったアロンソ。決勝レースでもペースには苦しんでいたが、ずば抜けたマネジメント能力とプランニングで文句のつけようがないレース展開を披露した。 2位はキャリア初の表彰台獲得となったフェルナンデス、3位にはダビデ・ムニョス(BOE Motorsports)が入っている。 古里はレースの大半をトップ集団で過ごし、力強い走りを見せていたが、残り3周で転倒してしまいリタイアとなった。鈴木は7位でフィニッシュ、山中は17位でレースを終えている。 次戦は翌週10月4日から6日にかけて行われる日本GP。Moto3クラスにおいてはここ近年で見ることができなかったチャンピオン決定の瞬間が目の前で見られるかもしれない。アロンソが日本でタイトルを決めるのか、そして3名の日本人ライダーの活躍に注目が集まる。
河村大志