自民・塩谷氏が党に再審査請求 裏金事件巡る離党勧告処分に不服「総理も責任問われるべき」
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、安倍派の座長を務めた塩谷立氏(衆院比例東海)は12日午前、党から受けた離党勧告処分を不服として岸田文雄首相(党総裁)宛てに再審査を請求した。今後、総務会が扱いを協議する。塩谷氏は国会内で記者団の取材に「事実に基づいた公正公明な、公平な審査をお願いしたい」と強調した。 塩谷氏は「事実誤認の点が多々ある」と訴えた。処分決定に至るまでの過程にも問題があると指摘し「どこまで弁明書を読んでもらえたのか」などと不満を漏らした。党規律規約で定められている政治倫理審査会を開いて、真相解明への調査をするよう要求した。 「政治的、道義的な責任は重く受け止めている。国民の皆さんの不信を招き、深くおわびする」としつつ「今回の問題は党全体の問題。岸田総理の責任も問われるべきだと思っている」とあらためて主張した。 4日の処分決定以降、相談した地元支援者からは「(再審査請求の)考えは間違っていない」「出してどうなるんだ」といったさまざまな意見があったことを明らかにした。最終的に「支援者の声を大事にして判断した」と説明した。 総務会で「相当の理由がある」と認められると、党紀委員会で再び審査が行われる。一方、再審査が行われない場合は処分が確定し、塩谷氏が勧告に応じなければ除名処分となる。 塩谷氏は5日の記者会見で、再審査が認められない際は離党届を提出する考えを示唆したが、12日は請求に対する結果が出た時点で「しっかりと対応したい」と述べるにとどめた。
静岡新聞社