高橋さんの畑で花を咲かせたサトイモ＝14日、勝浦市

　熱帯植物のため本州でほとんど開花が見られないというサトイモの花が、勝浦市佐野の高橋達男さん（82）宅の畑で咲いている。18年前から栽培する高橋さんが初めて開花しているところを見つけた。「陽気な日が続いたからか」と驚きながら楽しんでいる。 　花に気付いたのは12日。収穫のため畑に行くと、生い茂った緑色の大きな葉の中で、茎からカラーやミズバショウのように先のとがった円すい状に伸びる薄い黄色の不思議な形を見つけた。「最初は何だか分からなかった」が花だと思い、夷隅農業事務所に連絡すると、まれな例と分かった。

開花を控えたサトイモ。円すい状のホウに包まれている花

　千株ほどあるサトイモのうち、畑の外側に植えた株の複数カ所で開花やつぼみが見られた。日中に咲き、夕方にしおれてしまうため観賞時間は短いが、「まだたくさんあり2、3日は楽しめそう」と話す。 　「大根は花が咲くと（味が落ち）食べられないが、サトイモは大丈夫」のようで、掘り起こしてイモの出来も確認した。連日の猛暑が要因かは不明。ただ、珍しい風景を前に「しばらくそのままにする」という。