マスク氏、独極右政党党首と対談 支持表明にEUが対応苦慮
Sarah Marsh Thomas Escritt [ベルリン 9日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏が9日、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のワイデル共同党首と対談を行い、2月の総選挙では同党に投票するようドイツ国民に呼びかけた。 【動画】マスク氏がドイツ極右政党党首と対談、総選挙で同党への投票呼びかけ 不当介入と困惑の声 対談はマスク氏が率いる「X」上で行われ、話題は移民やドイツの官僚制度からエネルギー政策など多岐に及んだ。時には会話がぎこちなくなる場面もあったが、マスク氏とワイデル共同党首はAfDがドイツ低迷に対する答えであることで一致した。 AfDは世論調査で2位につけているにもかかわらず、他党が協力を拒否しているため、政権を樹立する可能性はほとんどない。専門家らは、マスク氏の支持がAfDの人気をさらに高め、主流政党から支持を奪い、まとまりのある連立政権の形成を困難にするのではないかと懸念している。 ドイツ政府は、マスク氏が独総選挙に影響を及ぼそうとしていると非難している。 また欧州各国の指導者らも、ここ最近のマスク氏の政治活動に懸念を表明しており、フランスなどからは欧州連合(EU)が外部の干渉を阻止するため法律を駆使して厳しく対応すべきだとの声も挙がっている。 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は、XへのEUデジタルサービス法(DSA)違反に関する継続中の調査などの一環として、この問題を検討すると述べた。