新年度「職場の五月病」コロナ禍の深い影響下で集団発生? 40、50代社員も疲弊する“ココロの2024年問題”
全世代が立ち位置を見失いつつある中で迎えるGWをどう過ごす
「昭和世代の私自身もそうですが、飲み二ケーションなんてもうほとんどなくなりました。誘っていいものか迷っている自分もいやですし、若い人もそういうことは好まないんだろうし。そんなこんなで昔はこうだったなんて考えると、でもあれが本当によかったんだろうか…なんて逡巡します。結局、コロナ禍で環境が一変し、どの世代も自分の立ち位置を見失いつつあり、不安定なのがいまなのかと感じています」と新井氏は明かす。 そんな中で迫るGWを境に、一気にココロの問題が押し寄せる可能性があると新井氏は危惧する。 「5月は環境に適応できないことを実感しつつ、ココロと体の違和感を抱きやすい時期。2024年はそれが集団的に発生するんじゃないかと懸念しています。新人は少しでも違和感があれば『辞めたい』とココロが沈み、中堅も『このままでいいんだろうか』と将来を悲観。50前後の年配社員は会社員としての行く末を心配する…。そういうとなんだか希望がないですが、大きな変化があるときは浮き沈みはつきものです。例えば今年のGWに沈み切ったら、あとはそこからV字回復へ向けて浮上あるのみ。私はそう信じています」 今年のGWは間に3連休を取得すれば10連休になるものの、大型連休というより前後半の分散型だ。前半でじっくりと自分について考え、後半は思いっきり好きなことを満喫する。もちろんその逆でもいいだろう。 いずれにせよ、ココロがへこみがちな五月病のシーズン。じっくりと自分を見つめ直し、あえてうつうつしながら、その後の反動に期待するという過ごし方も意外にはまるかもしれない。 新井健一(あらい・けんいち) 経営コンサルタント、アジア・ひと・しくみ研究所代表取締役 1972年神奈川県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、大手重機械メーカー人事部、アーサーアンダーセン(現KPMG)、ビジネススクールの責任者・専任講師を経て独立。人事分野において、経営戦略から経営管理、人事制度から社員の能力開発/行動変容に至るまでを一貫してデザインすることのできる専門家。著書に『働かない技術』『いらない課長、すごい課長』(日経BP 日本経済新聞出版)『事業部長になるための「経営の基礎」』(生産性出版)など。
弁護士JP編集部