アクセルペダルから足を離したのに急発進が止まらない時は…専門家が教える対処法
「ガードレールや建物の外壁でスピード落とす うまくいかなければ前の車のトランクが次善」 電柱などの垂直構造物との衝突は避ける
1日夜にソウル地下鉄の市庁(シチョン)駅そばの交差点で起きた大規模な交通事故の背景が明確になっていない中、加害車両のドライバーは「急発進」を主張している。実際の事故の原因は解明しなければならないが、それにかかわらず、ドライバーの間では急発進そのものに対する関心と恐怖も強まっている。専門家は、ともかくすべてのペダルから足を離したにもかかわらず加速が止まらなければ、ギアをニュートラルにして強く最後までブレーキを踏み込むこと▽人のいない空間の外壁など、できるだけ安全な地形や構造物にぶつけて車を止めること、などを対処方法として助言している。 3日にハンギョレの電話取材に応じた専門家たちは、急発進が発生した場合はギアをニュートラルにしてからブレーキを強く最後まで踏み込めと述べた。大切なのは「最後まで強く」だ。大邱(テグ)慶北科学技術院のソン・ジュヌ研究員は、「ブレーキを最後まで踏み込まなければならない。力いっぱい踏み込み続けていれば少しずつブレーキが作動しはじめる可能性があるが、足を離すと空気がたまり、作動が難しくなる」と述べた。 ブレーキペダルが作動しない時は、電動パーキングブレーキを押すという方法もある。昨年に韓国交通安全公団が実施した「走行および制動試験」では、時速100キロ以上で走行中にブレーキペダルが作動しない時は、電動パーキングブレーキを作動させるだけでも車を完全に停止させたり、速度を著しく落としたりできることが確認された。 韓国交通安全公団は、エンジンを切るのも一つの方法だとしている。ただし、エンジンを切るには最大5秒間エンジンボタンを押し続けるか、最大5回以上押さなければならないため、少し時間がかかり、リスクもその分高まるという限界がある。 それすらできない時は、人がいない場所の、できるだけ安全な地形や構造物にぶつけてでも車を止めなければならない。サムスン火災交通安全文化研究所のチャン・ヒョソク責任研究員は、「急発進が発生した場合は、人のいない場所のガードレールや建物の外壁にぶつけて、できるだけ早くスピードを落とすことに集中しなければならない」と語った。やむを得ない場合には、駐車してある車の「背面」にぶつけると、それなりに被害が抑えられる。チャン責任研究員は、「トランクのある自動車はスペースが空いているため、緩衝作用が働く」と説明した。 大邱慶北科学技術院のソン・ジュヌ研究員は、建物の平らな外壁にぶつけて車を止めろと助言する。同氏は「最もましな方法は、角度が90度の平らな壁にぶつけること」だとし、「壁が全体として力を受け止めるので、エネルギーがうまく吸収されるため」だと語った。ただし構造物や外壁にぶつけるとしても、垂直の構造物である電柱や頑丈な鉄製の構造物は衝撃が大きく、車を突き破って車内に被害が及ぶ恐れがあるため、避けなければならない。 ブレーキペダルにマットや水筒などの異物が引っかかっていたり、ドライバーが居眠り運転などで誤った操作をしたりして、意図せぬ加速が発生することも多い。韓国交通安全公団は、「非常時に車を止める方法をあらかじめ熟知しておくとともに、運転席の周りに水筒やスリッパなどが落ちないように注意しなければならない」とし、「普段から駐車したり停車したりする時、電動パーキングブレーキの使用などを習慣化しておくことも重要だ」と指摘した。 ユン・ヨンジョン、コ・ギョンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )