【有馬記念】タイトルホルダーの本領発揮に期待 穴馬はスタミナ豊富な一昨年の2着馬ディープボンド
穴馬はディープボンドとソールオリエンス
【ディープボンド】 天皇賞(春)で3年連続2着。阪神大賞典でも21、22年と二連覇しているステイヤー。有馬記念でも一昨年に2着に善戦している。同レースでは5番枠からまずまずのスタートを切って、そこから押して先行策。外の馬の方がテンが速く、好位の中目に押し込められ、向正面では包まれたが、3~4角で他馬が避ける馬場の悪化した最内から進出して、やや窮屈なスペースを通して前2頭の外に誘導。そこで外から勝ち馬エフフォーリアに一気に来られたが、それに食らいついて3/4差に好走した。 一昨年はパンサラッサがかなりのハイペースでレースを引っ張ったことで、本馬の豊富なスタミナが活きた面がある。スローペースの上がり勝負となった場合にはキレ負けする可能性があるが、今回もある程度はペースが上がると見ている。それならばこの距離でもチャンスがある。また、前走ジャパンCでは仕掛けながらの追走で、能力を出し切れていない点もここへ向けては好ましい。 【ソールオリエンス】 今年の皐月賞馬。当日は外から差す馬が有利な馬場状態。1番枠から好スタートを切ったが、そこからコントロールして最後方付近まで位置を下げて外へ誘導。道中も最後方に近い位置で外目を追走し、3角手前で外から進出。そのまま追い出されたが、そこまで上がって行けず、スピードに乗ったのが4角だったため、大きく外に振られるロスが生じた。しかし、直線ではしぶとく伸びて中団まで上がり、ラスト1Fでグンと伸びると並ぶ間もなく、早めに抜け出していたタスティエーラを捕らえ、1馬身1/4差で完勝した。 今秋はセントライト記念2着、菊花賞3着と振るわないが、菊花賞は前有利の流れとなった中で中団やや後方でレースを進め、向正面で位置を押し上げていかなかったことが、タスティエーラにも敗れた理由と見ている。前走はとても消耗するレースではなかったので、今回は余力十分と見ているが、1番枠と本馬にとって好ましくない枠順を引いてしまった。 最内枠だとある程度、積極的に出して位置を取るか、皐月賞時のように最後方付近まで位置を下げて外へ誘導する必要がある。今回は同レースのように馬場が悪化していないだけに、おそらく、ある程度積極的に出してロスを最小限にする騎乗をしてくる可能性が高いが、これまでにそういう器用な競馬をしたことがないだけに、そこがやや不安だ。 ※パワーポイント指数(PP指数)とは? ●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示 例)ジャスティンパレスの前走指数「-27」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.7秒速い ●指数欄の下線、茶色はダート ●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3 ●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数 能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補 ライタープロフィール 山崎エリカ 類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。
山崎エリカ