「雨の日の頭痛に漢方薬が効く」と話題!一般薬との違い&飲み方のコツをプロが伝授
漢方が苦いのには理由がある
――安心なイメージが強いですが、あくまで薬。漫然(まんぜん)と飲み続けてはいけないんですね。漢方薬といえば苦かったり酸っぱかったり味が苦手な方も多いと思いますが、顆粒(かりゅう)の漢方薬の飲み方のコツはありますか? 砂橋さん「漢方薬にもいろいろな味がありますので、あくまで一般論にはなりますが、先に口の中に水を含んでからその水の中に顆粒を落とすように入れてみてください。水によって漢方薬の顆粒が固まり、1つの個体になって喉の中に落ちていくので飲みやすくなると思います」 山本さん「苦い味が苦手という声もよく頂きますが、学術的な話をすると、漢方ではその味も薬効のひとつだという考え方があります。『五臓六腑』という言葉がありますが、漢方には苦い・酸っぱい・辛い・塩辛い・甘い、の5つの味があります。 この5つの味が内臓に働きかけているとされていて、甘い味は腸に、辛い味は肺に、苦い味は心臓に、酸っぱい味は肝臓に、塩辛い味は腎臓に働きかけると言われています。 たとえば、沖縄のニガウリ(ゴーヤ)の苦みには熱を冷ます役割がありますよね。わかりやすいのは葛根湯で、例えば辛いものを食べると汗が出ますよね。葛根湯にも少し辛味があり、身体を温める作用があります。このように味にも効能があるんですよね」 ――味にも意味があったとは驚きました。でも錠剤の方がやっぱり飲みやすいです…… 山本さん「どうしても苦手な方は錠剤で選んでいただいても問題ないのですが、『葛根湯』のように【湯】とついているものは液体がよく、顆粒も錠剤も効果は同じですが、顆粒の場合はお湯で溶かして飲むとより効果を実感しやすいです。」
漢方薬の選び方
――今年、紅麴を使用したサプリメントの問題により、「薬やサプリメントを飲むのが怖い」という声も聞かれました。どのように自分にとって安全なものを選べば良いのでしょうか。 山本さん「特に医薬品は国が定めた基準に則り、品質管理を徹底しています。特にクラシエでは国が求める基準よりもさらに厳しい自社基準を設けていますので、ご安心頂けると思います。 その上でサプリ・薬の選び方ですが、サプリメントはあくまで食品。健康維持や栄養補助的な立ち位置です。体調不良が起きた時に治療するために飲んでいただきたいのは、漢方薬や西洋薬です。 大きいのは成分的な違いで、西洋薬は化学的な成分を調べて製法しているのに対し、漢方薬は根っこや葉っぱといった自然の生薬を組み合わせて作っています。身体を温める作用のもの・気管支を拡張させる作用のものといった複数の生薬がチームプレイで総合的に体を治していくものです。 風邪でいえば、西洋薬には症状を緩和させる成分が配合されていますが、漢方薬では新陳代謝に働きかけて人間が本来持っている力で治すという方法なのでアプローチが異なります。さらにサプリメントは概念が異なり、薬ではなく栄養素を補うためのものです」 砂橋さん「選び方としては、一番辛い症状は何かで考えて頂くと良いと思います。即効性を求めるなら西洋薬の方が良い場合もあると思いますし、体質から改善したい場合は漢方が良いです。 副作用で考えて頂くのも良いと思います。たとえば花粉症なら鼻水を止めるために薬を飲む方が多いですが、副作用で眠くなってしまって困ることがありますよね。鼻水は止めたい、でも眠くなってもいられない、という場合には眠くなる成分の入っていない漢方薬を選んでみてはいかがでしょうか」 ――ほかにも女性におすすめの漢方薬はありますか? 砂橋さん「私は、生理時のイライラに『抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)』を飲んでいます。仕事が忙しくなってきてイライラする時にも飲んでいますね。女性はちょっとしたことでも体調が変わりやすいので、自分はどういう時にどんな不調が起こるかを把握しておくと良いと思います」 西洋薬よりも副作用がなく安全なイメージが強い漢方薬ですが、あくまで薬。自己流の使い方は危険ですが、医師や薬剤師とも相談しながら体質そのものを改善していく目的で使うと心強い味方となってくれそうです。まずは自分の身体の状態を確認しつつ、正しい使い方で毎日を快適にしていきましょう! <文/松本果歩> 【松本果歩】 インタビュー記事から食レポ記事までジャンル問わず執筆するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり、店長を務めた経験あり。Twitter:@KA_HO_MA
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