「ここ数年で一番の雪」 青森県内スキー場、滑り出し上々 昨季は大苦戦、訪日客増に期待
青森県内各地のスキー場が今月、次々にシーズンインを迎えている。今冬は各地の積雪がすでに平年の倍以上の所もあり、オープンしたスキー場は「ここ数年で一番の雪質」と順調な滑り出し。昨季の記録的な少雪で苦戦を強いられたスキー場は「今年はいい雪で営業できそう」と期待している。 例年多くのスキー場は学校が冬休みに入る今月下旬までにはオープンを迎える。1日、八甲田国際スキー場(青森市)が県内トップを切って営業を開始した。18日現在のゲレンデの積雪は90センチ(圧雪後)と良好。運営する八甲田パークの田中日出雄社長は「シーズン初めの雪としてはここ数年で一番いい」と目を細めた。近年は樹氷を巡るスノーシューツアーが人気で、青森空港のソウル便や台北便の再開により、今年の予約数はすでに昨年以上。「秋のインバウンド(訪日客)の多さを見ると、今冬はさらに増えるだろう」とみる。 標高が高く、非圧雪の長距離コースを楽しめる八甲田スキー場のダイレクトコースは、昨年より9日早い15日にオープンした。八甲田ロープウェーによると、山頂公園駅付近の積雪は2メートルに迫る勢いで、スキーヤーや樹氷見学で混み合った昨季同様、今季も多くの乗客を見込んでいる。 青森スプリング・スキーリゾート(鯵ケ沢町)は昨年より6日早い14日に営業を始めた。「12月頭からこのコンディションは本当に良い。新潟や長野の一番良いとき並み」と樋口忠弘マーケティングマネージャー。来年1月中旬から2月にかけてシンガポールや台湾、オーストラリアなどから長期滞在を含むインバウンドの宿泊予約も入っているという。 一方、比較的標高の低いスキー場はこれからシーズンが始まる。大鰐温泉スキー場(大鰐町)は、21日のオープンを控え準備中。昨年は雪不足で通常の約半分の44日しか営業できなかったほか、大会やスキー教室がキャンセルとなった。渡邊時則支配人は「今年は例年並み以上の降雪が予想されている。来年2月のインカレ大会も成功させたい」と話した。 ネーミングライツで、モヤヒルズから名称が変わった「リンクステーションヒルズ雲谷」(青森市)も21日オープン予定。18日現在の積雪は40センチ(圧雪後)と十分。営業企画の齋藤久夫さんは「昨シーズンの正月は雨でゲレンデ状態は最悪だった。今季の正月は9連休なので、帰省客などたくさん来てくれることを期待している」と降雪が続くことを願った。 昨シーズンは営業できなかった七戸町営スキー場は20日オープン予定。管理者の菊池正道さんによると、18日時点での積雪は圧雪後5センチと営業にはまだ足りない状態という。近年は年明けのオープンが多く「今年はできれば年内に営業を開始したい」と話した。