「デザイナーや小説家になりたい」ルフィ事件側近の女が公判で語った過酷な半生と前向きな将来の夢
「ルフィ」を名乗る広域強盗事件をめぐって’23年1月に東京・足立区で起きた強盗未遂事件の初公判で起訴された山田李沙被告(27)は、入管施設での幹部らの生々しいやり取りを証言した。 【画像】すごい!”かわいすぎるかけ子”として有名になった熊井ひとみ被告の浴衣姿…! 詳細については【前編『偽の逮捕状を作らせる手配…ルフィ事件側近の女が語った入管施設の過酷実態と幹部たちの脱獄計画』】をお読みいただきたい。 後編では、山田李沙被告の母親の陳述書を紹介する。さらに法廷では掛け子になった経緯と後悔、そして将来の夢についても語っていた。 《娘は裏切られたり、イジメられたことで他人に対する共感や同情を持つのが難しかったのかもしれません。フィリピンで初めて人に優しくされたと言っていました。深く反省して罪を償ってほしい》 情状酌量を求める母親の陳述書が読み上げられた。母子家庭で育ったという山田李沙被告は中学の時に不登校となり定時制高校に進学。卒業後は風俗やキャバクラで働いた。将来への不安や家族を支えるために犯罪をしないと稼げないと考えるようになり闇バイトに応募。’19年にフィリピンに渡り、掛け子となった。 「当初は1ヵ月で帰国するつもりでしたが幹部たちに3~4年は帰さないと脅され、恐怖で従わされることになります。もともと真面目な性格の山田被告は働きぶりもよく幹部たちからも重宝されるようになりました」(裁判を傍聴した全国紙記者) 山田李沙被告は幹部たちの凶悪さについても証言している。 藤田聖也被告(39)については、 「『殺すぞ、頭カチ割るぞ』とか詐欺時代から脅し文句や暴言が多くて怖い人。お金の持ち逃げがバレると耳を切り落とされると聞いた。私も『女でも関係なくボコボコにするぞ』と脅された」 とかなり恐れていたようだ。今村磨人被告(39)については、 「陽気なおじさんで金遣いが荒い」 と評する一方で、 「藤田さんから『今村は手の指と足の指の骨を全部折っていく。どう思う?」と聞かれヤバい人だと思った」 とも話している。渡辺優樹被告(39)に対しても、 「みんなで稼いでみんなで幸せになろうという考え。身近にいる人間だけを幸せにするので、その輪の中に入らないとまずいと思った」 などと語り、彼らに逆らうことはできなかったという。帰国したいと思い日本大使館に出頭したが、収容された入管施設で渡辺被告らと再会したことが不運だったのかもしれない。詐欺だけではなく強盗事件にも関わることになってしまったからだ。山田李沙被告は、 「犯罪でしかお金を稼ぐことができないと思った。もうちょっと考えて行動するべきだった」 と後悔を語った。 自分と同様に、特殊詐欺グループ内で掛け子をしていた連中について聞かれると、 「コミュニケーションがうまく取れない人、家族仲が良くない人。うまく日本で適応できなかった人が多い」 と自分と似たような境遇の人間が多かったと語っている。日本社会に馴染めなかった山田被告だが、フィリピンで人の優しさに触れることもあったそうだ。 「渡辺被告らが先に強制送還され、山田被告は収容所に残される形になりました。それまで渡辺被告らに他の国の受刑者と関わることを禁じられていたのですが、外国人受刑者たちに助けられたそうです。『あなたなら犯罪をしなくても生きていける』と励まされたとも話していました」(全国紙司法担当記者) 今後について問われると、急に目に精気がみなぎり、 「洋服のデザイナーになって自分のブランドを立ち上げたい」 「自分にしか書けない小説があると思う。どうして人はだまされるのかを書きたい」 などとイキイキと夢を語っている。その姿と罪の重さのギャップに、違和感を感じざるを得なかった。山田被告への求刑は1年6ヵ月で、判決は3月5日に下される。
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