都内新築マンションは「狭くなった」だけじゃない…デベロッパー必死の「コストカット」で「損する物件」が急増中
新築マンションの価格が著しく上昇、平均的な会社員では購入が簡単ではなくなったのが現実だ。そんな中、分譲各社は少しでも価格を抑制するため、専有面積の圧縮を進めている。首都圏では2013年には平均70.77㎡、2014年には71.16㎡と70㎡台だったのが、2023年には66.10㎡と66㎡台まで落ち込んでいる。面積圧縮だけではなく、仕様・設備面での削減の可能性もあるので要注意だ。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ”
10年で3000万円も高くなった
新築マンションの土地の仕入れ費用、建築費が上がっているが、それが販売価格に転嫁されるとマンション価格がますます高騰、消費者の購買力がついていけなくなる可能性がある。そこで、デベロッパー各社は少しでも価格上昇を抑制して売りやすくするため、さまざまな手だてを押し進めている。なかでも目立つのが「専有面積の圧縮」だ。 不動産経済研究所のデータから首都圏の新築マンション価格の平均をみると、図表1にあるように2013年には4929万円だったものが、2023年には8101万円と10年間で3000万円以上高くなってしまった。 図表1 首都圏新築マンションの平均価格と平均専有面積の推移 1000万円の自己資金を用意すれば、2013年には3929万円のローンを組めば購入できた。金利1%、35年元利均等・ボーナス返済なしの住宅ローンだと、毎月返済額は11万910円で、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)を銀行の審査基準の上限である35%に抑えるためには、380万円ほどの年収があればOKだった。 家計のゆとりを考慮して返済負担率を25%に抑えるとしても、必要年収は532万円だから、平均的な会社員でも十分に購入が可能だった。 それが、2023年の8101万円になると、1000万円の自己資金では7101万円のローンが必要で、同条件だと毎月返済額は20万451円に増え、返済負担率35%の必要な年収は687万円に増加する。返済負担率25%だと、962万円の年収が必要で、平均的な会社員ではかなり難しくなってしまう。