新NISA「なんか、思ってたんと違う」 希望のファンドが買えない、投資枠復活には時間がかかる…注意したい落とし穴【FPが解説】
「成長投資枠」「つみたて投資枠」利用上限を整理すると…
――つみたて投資枠の利用限度額がよくわかりません。 新NISAは成長投資枠とつみたて投資枠に分かれています。成長投資枠の上限は1200万円ですが、つみたて投資枠の上限は1800万円です。つまり、成長投資枠を一切使わずに全て、つみたて投資枠を使って投資することができます。もしかすると、成長投資枠の上限が1200万円なのでつみたて投資枠の上限が600万円と思われている方がいるかもしれません。 しかし、そのようなことはなく、成長投資枠はあくまで内枠なので、使っても使わなくても問題ありません。 逆につみたて投資枠は新NISAの累計上限金額の1800万円全て使えるので、つみたて投資枠だけですべて埋めることが可能なのです。 成長投資枠とつみたて投資枠を整理すると、以下のようになります。 ◇ ◇ ・累計上限枠…成長投資枠1200万円、つみたて投資枠1800万円 ・年間利用上限額…成長投資枠240万円、つみたて投資枠120万円 ※成長投資枠とつみたて投資枠合わせて1800万円まで ◇ ◇ つまり、成長投資枠の年間利用上限金額は240万円なので、最短5年で枠を埋められます。 一方、つみたて投資枠の年間利用上限金額は120万円なので、15年かけて枠を埋める形になります。あまり投資資金がない方にとっては、全てつみたて投資枠の利用が良いでしょう。 ただし、成長投資枠でも一括で投資をせずに、毎月一定の金額を積み立てることができます。利用できる商品も成長投資枠の方が多いので、うまく併用するようにしましょう。 ――新NISAHは配当金も非課税ですよね? 結論としては、原則配当金に関しても全額非課税になります。ただし、日本の株式や投資信託の場合に限ります。外国株やETFの場合、配当金(分配金)を受け取る場合、現地課税10%が発生するので注意してください。あくまで新NISAで無税になるのは国内税だけです。 最近、米国株を中心に非常に人気がある外国株ですが、このような注意点がありますので、しっかりと覚えておきましょう。 ◆鳥居佳織(とりいかおり)/2級ファイナンシャル・プランニング技能士 大手生命保険会社にて8年間勤務。保険コンサルティングでは個人、法人、問わず生命保険や損害保険を幅広く販売。金融ジャンルの専業ライターとして活動中。金融全般に関するさまざまな相談に応じてきた経験があり、実体験ベースでの執筆が得意。主に保険、年金、資産運用など幅広く執筆している。 (まいどなニュース特約・八幡 康二)
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