<箱根駅伝>勝負の箱根5区に山の神は降臨するか
今回の区間賞獲得ランナーが新たな区間記録保持者に
“5強”以外のクライマーで最も注意したいのが日大のダニエル・ムイバ・キトニーだ。寒さへの対応が慣れていないケニア人留学生にとって、「箱根5区」は難しい区間。前回も5区を任されたキトニーは、区間10位(1時間21分51秒)と苦戦した。しかし、再び5区にエントリーされたことを考えると、今回は“相当走れる”という計算が立つのだろう。小川聡駅伝監督は「1時間17分ぐらいでいってくれるのでは」と期待している。 89回大会(13年)で8人抜きの快走を見せた法大・ 関口頌悟のように、無名の選手が華々しい活躍をすることもあるのが、山上りの5区だ。今回から函嶺洞門の通行禁止に伴い、早川を渡るバイパス道路を通るため一部コースが変更。従来よりも約20m長くなるが、距離の再計測により、今回から23.2km(前回までは23.4km)の新コースとなる。 88回大会で柏原竜二(東洋大)が樹立した1時間16分39秒の区間記録も参考扱いになるため、今回の区間賞を獲得したランナーが新たな区間記録保持者となる。再スタートを切る「山の5区」でどんなドラマが起こるのか。近年は復路での逆転劇が少なくなっており、往路を制した大学が断然有利。今回も箱根山中での激突が約11時間にも及ぶ物語のハイライトになるだろう。 (文責・酒井政人/スポーツライター)