圧巻の攻撃力を見せた多田（左）

2日間にわたる空手家たちの激闘は、大きな熱量を東京の地に生み出した。フルコンタクト空手の体重無差別級日本一を決める、全世界空手道連盟 新極真会主催「第56回全日本空手道選手権大会」（10月5日-6日）。本大会は半世紀以上の歴史を紡ぐ伝統ある舞台だ。 【フォト】両者の超パワーが激突　男子決勝を争った多田と遠田 本日10月6日は組手部門男子の三回戦～決勝戦、女子は準々決勝戦～決勝戦が実施され、激闘の末に男女のチャンピオンが決定した。ここでは、71名の空手家がエントリーした男子の様子をお届けする。

まず決勝に駒を進めたのは、第53回全日本大会準優勝の実績を持つ、福岡県出身の多田成慶。持ち味はリミッターを開放して前に出る、怪物級の攻撃力だ。日頃は空手指導員として後進の指導に精を出しつつ、稽古に全力で打ち込む日々を送っている。 対抗から勝ち上がってきたのは、18歳にして大舞台での活躍著しい遠田竜司。2023年10月の世界大会（第13回世界大会）で一気に7位入賞をはたした新星は、今大会でも堂々たる組手で決勝進出を決めた。

伸び盛りの18歳・遠田（左）は初の全日本ファイナリストに

攻撃力抜群の両者による決勝戦は、序盤から壮絶な打ち合いに。下段蹴りの応酬やノーガードのラッシュ合戦で、会場は大きく湧いた。本戦では決着がつかず延長戦にもつれた死闘は、最終的には判定4-0で多田に軍配が上がった。 優勝者インタビューでは「ホッとしています。（全日本優勝は）初めてなのでとてもうれしいです。優勝するつもりで1日1日100％努力してきました」と話すと、会場から温かな声援が送られた。体重別世界大会（第1回WFKO世界大会、2025年5月31日-6月1日）の重量級日本代表にも内定している多田。世界でも爆発的な攻撃力で風穴を空けてくれるかもしれない。 男子の入賞者は以下の通り。

左から準優勝の遠田、優勝の多田、3位の岡田侑己、4位の前田勝汰、5位の塚本慶次郎、6位の渡辺優作、7位の後藤優太、8位の髙橋耕介、敢闘賞の落合奏太

■組手・男子 優　勝　多田成慶　（福岡支部） 準優勝　遠田竜司　（東京江戸川支部） 第3位　岡田侑己　（和歌山支部） 第4位　前田勝汰　（和歌山支部） 第5位　塚本慶次郎　（世田谷・杉並支部） 第6位　渡辺優作　（世田谷・杉並支部） 第7位　後藤優太　（空手道MAC） 第8位　髙橋耕介　（世田谷・杉並支部） 敢闘賞　落合奏太　（栃木支部） 技能賞　塚本慶次郎　（世田谷・杉並支部）