置き配ドロボー被害者の恐怖「住所を知られ何をされるかわからない」全国で多発【静岡発】
運送業者の負担を軽減するため、玄関前など指定された場所に荷物を置く「置き配」の利用が増えている。一方で置き配の荷物が盗まれる事件も全国で相次いでいる。荷物が盗まれただけではすまない切実な被害者の声を聞いた。 【画像】置き配ドロボー被害者の恐怖 個人情報を知られ何をされるか判らない
「怖くて警察にも言えない」
荷物を盗まれた女性: いつもこの中に宅配物を入れてくれるのですけど、届いてなかったので業者に連絡したら、「この中に置きました」というのが判る写真を送ってくれた。それで確認したけど届いてなかった 静岡県焼津市に住む女性は、玄関の前に荷物を置いてもらう置き配を運送業者に依頼した。 しかし、運送業者から「置いた」と連絡を受けた2時間後、帰宅したものの荷物はなかったそうだ。 女性は「人目が付きやすい所を置き場所に設定してしまったのも原因だった」と反省する一方で「置き配は便利ですけど、リスクもあるとわかったので頻繁に使うのは避けた方がいいなと」話した。 そして「荷物を盗まれたことよりも住所などの個人情報が盗んだ犯人に知られてしまったことを怖いと感じている」という。 荷物を盗まれた女性: 住所を知られてるのもあって、こちらから言って何か他の被害があるのも怖いなと思ったので(警察などには)相談しませんでした。何をされるかもわからないですし、そういうのも怖いなと思って警察にも言えなかったです 家の前に荷物を置いてもらう置き配。荷物を盗んでしまう置き配の窃盗が全国的に発生している。2022年5月には静岡市教育委員会の非常勤職員の男が、置き配の荷物を盗もうとしたとして逮捕された。 国土交通省が2022年に行ったアンケート調査によると「置き配」を利用しない理由として、約3割が「盗難されないか心配」と回答している。盗難の被害を防ぐためにはどうすればいいのだろうか。
盗難防止へ業者の対策
こちらは島田市の運送業者「千代田運送店」。取り扱う荷物の「置き配」は年々増加している。再配達を防ぐことでドライバーの負担を軽減できる一方、不安を感じる利用客からは問い合わせが寄せられているそうだ。 千代田運送店の駒田文夫 社長は「置き配で盗まれる危険性もあるので、こちらも気を付けています。」と話す。対策として「(時間が)合わなければ営業所止めという扱いにしてもらうようお願いしている」と説明してくれた。 不在の場合は営業所止めを勧めているが、置き配の場合でも電話で指定場所を確認し、盗難被害や利用客とのトラブルを防ぐように努めている。 千代田運送店・駒田文夫 社長: どうしても出荷人サイドからすると本当に(置いたのか)となる。信頼の問題ですね。ですから「何時何分に電話で承諾」とかを伝票に記載させるように指導している