精神医療センター「名取での建て替え望む」宮城県審議会 全会一致で決議 4病院構想議論どこまで進んだ?
仙台放送
新たな病院の概要が発表されましたが、そもそもこの県が主導する4病院の再編構想、現状はどこまで議論が進んでいるのか見ていきたいと思います。 こちらご覧ください。4病院の構想とは仙台市太白区の仙台赤十字病院と名取市の県立がんセンターを統合して名取市に。青葉区の東北労災病院と名取市の県立精神医療センターを併設し、富谷市に移転する県の構想です。 仙台赤十字病院と県立がんセンターは去年12月に基本合意を締結し、11月14日、新病院の概要が明らかになりました。 一方で、こちらの東北労災病院と県立精神医療センターは、センター移転後の県南地域の精神医療に対する懸念の声が相次ぎ、県が去年12月、センターの分院を名取市に分院を開設する方針を示しましたが、人員の体制など課題が多く議論がまとまっていません。 こうしたなか、11月13日、宮城県庁では県の審議会が9カ月ぶりに開かれ、県立精神医療センターの建て替えの方向性について「名取市内での建て替えを望む」とする案に有識者などの委員全員が賛成しました。 今年2月以来、9カ月ぶりに開かれた県の精神保健福祉審議会。議論が止まっていた4病院の再編構想を巡り、県立精神医療センターの建て替えの方向性について県が新たに3つの案を示しました。 1つ目は富谷市と名取市それぞれに独立した新病院を設置する案。2つ目は、富谷市への本院移転は維持するものの、数年かけて段階的に機能を移転していき、名取市内でも規模を縮小した新病院を開設する案。3つ目は、名取市内でセンターを建て替え、富谷市に診療所など、入院機能は持たないものの、精神科医療に対応するための必要な機能を整備する案です。 県は、3つ目の案の名取市内で建て替える場合は、民有地では土地の取得や整備に時間がかかるとし、選択肢として県立がんセンターの跡地など「県有地が望ましい」としました。 名取市内での建て替えも選択肢に含む、県の案に対し委員からは…。 審議会の委員 「この長い時間、ここまでたどり着いたということは成果ではあるかもしれないけども、そもそも、この議題になった時から審議会の委員のほとんどは名取じゃなきゃだめだろうという話をしていたので、新しい話ではないということを、県の方にはしっかりその辺の認識をしていただきたいと思います」 「どこに移転するのかというので、すごく皆さん不安だし、移転ってどういうこと?ってなるので、やっぱりその名取市でというところは、きょうここで決められれば落ち着くかなと思います」 13日は、労災病院とは別に精神医療センターだけで「名取市で建て替える」案の採決が行われ、出席した有識者などの委員17人全員が賛成して決議しました。 県保健福祉部 志賀慎治部長 「名取市に精神医療センターを移転すべしということについての全会一致での決議がなされたことにつきましては、県としても当然ながら重く受け止め、今後の検討に加え、やっていかなきゃいけないという思いを新たにしております」 東北労災病院と精神医療センターの富谷市での併設を巡っては、精神疾患に身体疾患も加わる「身体合併症」に対する対応の充実が県の狙いとしてあり、会の中では「名取市での建て替えの場合でも、対応の充実は不可能ではない」との意見が出ました。 県は、3つの案のさらなる検討に加え、「身体合併症」対応の課題解消についてもさらに検討していく考えを示しました。
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