自転車のロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」に2年ぶり出場の京都産業大学
日本最大の自転車のロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」に2年ぶり3回目の出場を果たした京都産業大学にスポットを当てます。 国内大学ランキング1位で出場資格を持つ日本大学が辞退したため、ランキング2位の京産大がことし出場権を得ました。 世界トップレベルの大会で選手たちは貴重な経験を積むことになりました。 前日の大阪「堺ステージ」は、2.6kmの個人タイムトライアルで争われました。 走行距離が100kmを超える大会2日目の「京都ステージ」からが、いよいよ本番です。 チームのキャプテン、山田選手も気合が入ります。 【声】京都産業大学 山田潤 キャプテン(3年) 「テレビで見るような海外チームや日本のプロチームも来ていて、とてもワクワクする気持ちもある。 恐縮するような走りでなくアグレッシブにいきたい」 一方、秋田監督は期待と不安が入り混じります。 【声】京都産業大学 秋田謙 監督 「すごくテクニカルなコースなので、下りで転倒しないことが最大のポイントですが、その中で、我々は京都の大学なので、このステージで頑張ってほしいという気持ちを秘めている。 この先が長いので無理せず終えて欲しいという気持ちが入り混じった難しい思いをしています」 京田辺市と精華町にまたがる京都ステージは、きつい山道を登って下る周回コースを6周する103.6kmで競います。 京産大は、序盤からいきなり試練の時を迎えます。 1周目、時速60キロを超える下り坂で、メンバー唯一の4年・矢萩選手が落車! 後ろを走っていた3年・末吉選手も巻き込まれます。 また、別の場所で1年の渡辺選手も転倒。 自転車が壊れ、予備の自転車に乗り換えるほどでした。 秋田監督の不安が現実のものとなります。 【声】京都産業大学 秋田謙 監督 「朝(前日の雨が)乾き切っていない路面に対応できていなかった。 これが未熟な部分だと・・・。これが経験不足だと・・・」 落車した4年の矢萩選手ら3人が、5周目に先頭と15分以上の差がつきタイムアウト。 無念のリタイアとなり次のステージへ進めなくなりました。 【声】京都産業大学 矢萩悠也 選手(4年) 「TOJ(ツアー・オブ・ジャパン)に思いを懸けてきた。 これに向けて調整もしてきた。 クラブ活動が休みの時も、ひとりで今回のコースを練習した。 油断はしていなかったが、もしかしたらどこかに油断があったのかと思う」 チームトップで見事に完走したのは、2年、森田選手です。 トップ集団でフィニッシュし、この時点で個人総合33位につけました。 【声】京都産業大学 森田叶夢 選手(2年) 「世界的に見てもレベルが違う結果を残す選手が多くて、そういう選手と一緒に走れるのは、本当に貴重な経験だった。 他のチームの動き方などを近くで見られ色々学べる部分があったので、京産大で走るレースに落とし込んでいけたら、いいチームになると思う」 上位も狙える第2集団につけていたキャプテンの山田も4周目でチーム4人目となる落車で順位を下げ、満身創痍のフィニッシュとなりました。 【声】京都産業大学 山田潤 キャプテン(3年) 「チーム内のミーティングでも気をつけようと話していました。 やはり気をつけていても、こういう事は起こってしまう。 何が足りなかったのか。注意不足なのか」 落車で大きなケガをした渡辺でしたが、驚異の追い上げで、完走します。 レース後は、自らユニフォームを脱ぐこともできない状況でした。 【声】京都産業大学 渡辺一気 選手(1年) 「結構、擦過傷がひどくて、かなり痛いのですが、これから処置して、明日は走れるように、しっかり気持ちを切り替えて調整したい」 前日までの雨が止んだことで、そこに選手の心の隙が生まれたのではないかと、秋田監督はレースを振りかえりました。 【声】京都産業大学 秋田謙 監督 「油断だったと思う。雨が止んだ。 でも朝食の時点で選手と話していた。 雨が止んだからスピードが上がってしまう。 怖い。ちょっとした事ですよね。 朝の朝食の会話の語尾の一つの作り方が、こういう結果になっているかも知れない」