高校統合で最後の1年の記念にも。北海道富良野の高校生が企画した地場産品〈富良野トマトパテ〉
コロカルニュース
■シビックプライドを育む「産官学連携によるふるさと納税共創プロジェクト」が始動 1999年に、富良野農業高校、富良野工業高校、富良野高校商業科の2校1学科を併せて開校した、農業科・工業科・商業科の3学科を有する全道で唯一の富良野緑峰高校。2025年4月には富良野高校と統合した新設校が誕生のため、本年度は富良野緑峰高校として最後の1年となっています。 【写真で見る】富良野緑峰高校の学校祭を皮切りに、市内で行われるイベントや直売所などで販売 同校で25年の歴史を持つ商業クラブの〈ビーグルCoCo〉は、地場産品を活用した商品開発などに取り組んでいます。 そんな富良野緑峰高校のビーグルCoCoのメンバー6人が富良野市と市内事業者である共済農場、地域創生を基幹事業とするレッドホースコーポレーションと行ったのが「産官学連携によるふるさと納税共創プロジェクト」です。 同プロジェクトは、富良野緑峰高校の生徒が地域資源の価値や魅力について考え、それを創造することにより、地元地域に対する誇りと愛着を育むことを目的として企画されました。 キックオフミーティングにて、ふるさと納税について理解後、ターゲットのペルソナを踏まえ、誰にどんな商品を届けたいか、メンバーひとり最低1アイデアを企画。生徒の企画を元に、協力事業者が開発商品を選定し、商品化に向けて、開発・試食を行い、決定した商品を7月~9月の富良野市のハイシーズン(グリーンシーズン)に学校行事や市内イベント、特産品売り場などで販売し、並行して、ふるさと納税返礼品として登録するまでをプロジェクト内容として設定していました。 商品開発においては「瓶詰めで保存がきくもの」「甘いもの・塩辛いものが製造可能」 「ソース・ジャム・ドレッシング・味噌であること」「使用可能食材はほうれん草・チンゲン菜・スナップエンドウ・アスパラ・とうもろこし・トマト・人参のいずれか」が条件として盛り込まれていました。 ■地域の野菜を使った〈富良野トマトパテ〉が誕生 完成したのが地域の野菜を使った〈富良野トマトパテ〉(130グラム、864円 ※学校祭などでは特別価格で販売予定)。富良野市産のトマトをベースに、富良野市産のとうもろこし、たまねぎ、北海道産の味噌が使われています。 7月5日には富良野市長への報告会と試食会が行われました。北市長は「今回発表された生徒さんのように目立ちすぎず、引っ込みすぎず、丁度いい味になっていた。しっかりとした味わいと後味を残した素晴らしい食感だった」とコメント。近内教育長は「ごはんにも合いそう」とその味わいや汎用性を絶賛していました。 また、小野校長は「味噌が入っているおかげで和食にも合うし、トマトで洋食にも合う。いろんな人に好かれるものができた。学校だけではできなかったことを成し遂げられたことが最大の成果」と今回のプロジェクトの成果を実感していました。 今回商品開発を担当した共済農場は「我々では考えつかない柔軟な発想で、汎用性の高いよい商品ができた。味噌とトマトとスイートコーンというのは実はすごく合う食材だということに改めて気づかされた」と感心していました。 生徒からは「プロジェクトを通して、私たちが考案した商品がふるさと納税返礼品として活用され、より多くの方に寄附いただくことで、地域の長期的なファン獲得に貢献し、今後の富良野市への発展や関係人口創出につながる活動になればいいと考えています」と力強いコメントが寄せられました。