パパ活女子、ギャラ飲み女子の「無申告」はなぜバレる? 百戦錬磨の税理士も二の足を踏む、特殊な経費事情〈夜職の確定申告〉
ギャラ飲みは足がつきやすい?
一方、ギャラ飲みは、男女ともにマッチングサービスを使うことが多いため、金のやりとりは管理サイトを経由して行うケースが多い。男性が管理サイトに金を支払い、その後、管理サイトが女性に金を振り込むというシステムができあがっているのだ。 管理サイトを通しているため、現金受領が横行しているパパ活とは違い、金銭の動いた記録が残りやすく、証明しやすい。さらに、銀行口座を登録している場合、税務署は入出金情報を確認できるため、反面調査(対象者本人ではなく、取引先など関係各所に実施される税務調査)がやりやすくなる。 実際、2022年には、3年間で約4000万円の所得を得ていたギャラ飲み女子が申告漏れを指摘され、約1100万円の追徴課税を受けた。その後、ギャラ飲みのマッチングサービスを運営している会社にも税務調査が入る事態になり、大きなニュースとなった。 税理士法人松本がギャラ飲み女子の納税事情を明かす。 「当社にも多くのギャラ飲み女子の方から問い合わせがあり、確定申告の依頼を受けています。ギャラ飲み女子は報酬が振り込みで支払われるため、足がつきやすい。申告漏れしていた場合、あとで大変な目にあいますよ」
ギャラ飲みに向かうタクシー代は経費になる?
では、マッチングサービスのサイトを通さず、個人的なつながりでギャラ飲みをしているのであれば、税務署にバレることなく、納税を回避できるのだろうか? 実際のところ、決してそんなことはなく、まったく予想外のところから露見することもある。 ギャラ飲み女子の中には、インフルエンサーとして活動していたり、そういった願望を抱えていたりする人も多いが、SNSで豪華な生活をアピールしすぎた結果、第三者から通報を受けて税務調査が行なわれ、脱税が発覚するケースもある。ギャラ飲み女子に“嫉妬”した身内から、税務署に密告されるパターンも多いようだ。 また、ギャラ飲み女子が確定申告する場合、経費とするにはグレーなものが多く、百戦錬磨の税理士であっても二の足を踏むという。税理士法人松本が明かす。 「そもそも経費の定義がかなり曖昧です。飲み会に向かうためのタクシー代は経費として計上できる可能性が高いですが、例えば、自分をよく見せるためのSNS投稿を広告宣伝費扱いにできるかというと微妙です。SNSへの投稿は私欲が混じっていると判断されやすいと思います。 もちろん、だからといって申告しないのは当然NG。無申告の場合、申告漏れを指摘されると、本税に加えて加算税や延滞税が課されるリスクがあることを覚えておいてほしいです」 取材・文/丸山ゴンザレス 取材協力/税理士法人松本