「自らの行動の責任を取る形になる」イスラエル軍トップ“報復明言” 核施設攻撃の可能性は 過去には核科学者5人殺害
イスラエル軍のハレビ参謀総長は、イランの大規模攻撃に対し、反撃を検討していることを示唆した。 イスラエルの報復に世界中が注目する中、イスラエルが「イランの核施設を攻撃する」のではという懸念が浮上している。 【画像】イランは平和利用を主張しているウラン濃縮施設
イスラエル軍トップ「自らの行動の責任取る形になる」
イランがイスラエルに大規模な攻撃を仕掛けたことに対し、イスラエル軍トップは反撃する考えを示した。 イスラエル軍・ハレビ参謀総長は、「われわれは最高レベルの体制を維持している。イランは自らの行動の責任を取ることになる」と話した。 ハレビ参謀総長は15日、イランの大規模攻撃について、アメリカやイギリスなどの協力を得て失敗に終わったと述べるとともに、中東で各国が協力し合う新たな機会を生み出したと述べた。 そのうえで、これほど多くの攻撃をイスラエルに行えば、イランは反撃を受けるだろうとの考えを示した。 一方、イスラエルの戦時内閣は15日も閣議を開き、イランへの対応策を協議したが、結論は明らかにされず、沈静化を目指す国際的な圧力もあり、慎重に検討しているとみられる。
イラン・テヘラン市民は攻撃を支持
イランから、歴史上初めての直接攻撃を受けたイスラエル。 軍のトップが反撃をすると発言したということで、いつ、どのような報復を行うのか、世界中が固唾(かたず)をのんで見守っている状況だ。 イスラエルの出方に注目が集まっているが、攻撃を行ったイランでも、一夜明けても攻撃を支持する人々の声が収まっていなかった。 15日のイラン・テヘランの様子を見ると、大勢の市民が集まり、イスラエル批判の声を上げている。 群衆の中には、ヒジャブと呼ばれる布を被った女性市民の姿も多く見られた。 「攻撃を行ったのはイスラエルであり、イランは自らを防衛した」などの声が聞こえた。 今回の攻撃では、射程の長い弾道ミサイルが120発も使われ、アメリカなども注目している。 市民はミサイルの模型を持ち出して、今回の攻撃を支持する声を上げていた。 イスラエルも、ハレビ参謀総長が空軍基地を訪問して、兵士らに反撃をする意志を伝えていて、予断を許さない状況が続いている。 ここからは、フジテレビ・立石修取材センター室長がお伝えする。 ── 双方が強気な姿勢を崩していないが、アメリカが報復には参加しないと表明している。イスラエルの報復はどうなるのだろうか? 現地メディアなども、イスラエルの目的は「全面戦争ではない」とはしているが、バイデン大統領の意見を、イスラエルがあまり聞いていないという声もある。 戦時内閣はまだ継続協議をしていて、どれくらいの規模になるかは不明な状況だ。 このような中、イスラエルが「イランの核施設を攻撃する」のではという懸念が浮上している。 IAEA(国際原子力機関)のグロッシ事務局長は、日本時間の16日の朝に行われた記者会見で、イスラエルがイランの核施設を攻撃する可能性について、「常に懸念している」としたうえで、イスラエル側に「自制を求める」と発言した。 イランは、2000年代に核開発疑惑が発覚した。 焦点となっているのは、ナタンズのウラン濃縮施設だ。 イランは平和利用を主張しているが、軍事目的であるとして国際的な批判を受けていて、IAEAもたびたび調査に入ってきた。 特に強く反発していたのが、イスラエル。 これまでもナタンズの施設にイスラエルによるとみられるサイバー攻撃で爆発や火災が起きており、イスラエルとイランは、水面下でさまざまな暗闘を繰り返してきた。