金融緩和期待の高まりでビットコインが6万4000ドルを突破
ほぼ全世界で金融緩和サイクルに入る状況になりそうなことが追い風となって暗号資産(仮想通貨)市場が押し上げられ続ける中、ビットコイン(BTC)価格は米国取引時間の24日午後に1ヶ月以上ぶりの高値を目指した。 本記事公開時点でビットコインは過去24時間で約2%上昇し、6万4300ドル(約932万3500円、1ドル145円換算)となった。価格は8月第1週以来6万5000ドルを超えていない。 中国が突然、ほぼ全ての他の主要グローバル経済国と同様に、経済の減速に対抗するために金融政策の緩和を行う方針を示した。このニュースは上海総合指数は4%以上押し上げたが、ビットコイン価格には若干の短期的な上昇をもたらしただけだった。
消費者信頼感指数の急激な低下
コンファレンス・ボード(Conference Board)が9月の消費者信頼感指数の急激な低下を報告したことを受けて、価格は実際のところ米国時間午前に6万3000ドルを下回った。この指数は前月の105.6から98.7に落ち込み、月間の下落幅としては2021年8月以来で最大となった。コンファレンス・ボードのダナ・ピーターソン(Dana Peterson)氏は、「現在のビジネス環境に対する消費者の評価は悪化し、現在の労働市場の状況への見方はさらに弱まった。消費者は将来の労働市場の環境についてもより悲観的になり、将来のビジネス環境と将来の収入についても以前より前向きではなくなった」と述べた。 しかし、CME FedWatchによると、このニュースは米連邦準備制度理事会(FRB)が11月の会合でベンチマーク金利をさらに50ベーシスポイント引き下げるとの期待を、前日の50%から61%に押し上げた。 その直後、最新の数字で8月のアメリカのM2マネーサプライが大幅に増加したことが示された。中国とアメリカの金融政策の緩和とマネーサプライの増加の組み合わせが、午後取引中にビットコインが持続的に上昇する材料となったようだ。金もこのニュースを好感し、1.4%上昇して1オンス2690ドル(約39万円)で史上最高値を更新した。 この日の上昇により、ビットコインは1週間前の水準から10%以上上昇したことになるが、価格がわずか数週間前の水準を下回っている状況で上昇ブレイクアウトがあったと言うのは難しい。 著名アナリストのウィル・クレメンテ(Will Clemente)氏は、「横ばい相場での急上昇で利益確定を狙う思考から、利益が出ているポジションを保有し続ける思考への切り替えは心理的に非常に難しい。私の意見では、ビットコインが6万5000ドルを超える市場構造の変化が確認されることが、リスクオンに向けた閾値であり、このバイアスを切り替えるものだ」と述べた。 |翻訳・編集:林理南|画像:Gerd Altmann/Pixabay|原文:Bitcoin Pushes Past $64K as Monetary Ease Expectations Grow
CoinDesk Japan 編集部