ハンガリー空軍、C-390初受領 集中治療室も搭載可
エンブラエルは現地時間9月5日、ハンガリー空軍にC-390「ミレニアム」の初号機を引き渡した。同社によると、人道支援任務の遂行に必要な搭降載式の集中治療室を搭載した世界初の構成で、ハンガリーはNATO(北大西洋条約機構)加盟国では2番目の導入となった。 【写真】C-390の機内 ハンガリー政府は、エンブラエルとC-390を2機取得する契約を2020年11月に締結。搭降載可能な集中治療室を採用したことで、人道支援や医療搬送のミッションをこれまでよりも遂行しやすくした。これらの任務のほか、捜索・救助、貨物・兵員輸送、精密貨物投下、空挺部隊作戦、空中給油(AAR)など、さまざまな軍事・民間任務を遂行できる。 C-390はエンブラエルが開発した双発の中型輸送機で、2015年2月3日に初飛行。最大ペイロードは26トン、航続距離は26トン搭載時が2000キロ(1080海里)、フェリー時が6241キロ(3370海里)、最高巡航速度はマッハ0.80(470ノット)で、貨物や物資、部隊の輸送、捜索救助など、多目的に運用できる。また、空中給油・輸送型のKC-390もあり、エンブラエルの母国ブラジルはKC-390を選定した。 ハンガリーはブラジル、ポルトガルに続く採用3カ国目で、このほかにオランダ、オーストリア、チェコ、韓国が採用。ブラジルとポルトガルはKC-390、ハンガリーとオランダ、オーストリア、チェコはC-390を選定した。
Tadayuki YOSHIKAWA