J1札幌はまた最下位転落 今季初スパチョーク弾実らず
◆明治安田J1リーグ第9節 札幌1―1広島(20日・札幌ドーム) 北海道コンサドーレ札幌が最下位に逆戻りした。ホーム・広島戦は前半10分、MFスパチョーク(25)が今季初得点となる右ミドル弾で先制も、後半5分に追い付かれ1―1で引き分けた。3戦連続で勝ち点は手にしたが、1の上積みにとどまり19位から順位を落とした。シュート数は4対18と圧倒された中、最少失点には抑えたが、9試合で複数得点はなし。降格圏脱出へ、攻撃の改善が不可欠になる。 勝ち点1こそ手にしたが、納得の結末とはならなかった。18本のシュートを浴びながらGK菅野の好守などで1失点には抑えたが、1試合で最下位に逆戻りした。31歳の誕生日を勝利で飾れなかったMF荒野拓馬主将は「自分たちが目指しているのは毎試合勝ち点3。3を取り切れなかったのが悔しい」と表情を険しくした。 4試合連続で先制点は挙げたが、2点目が奪えず、開幕から複数得点がない状況は変わらなかった。MF浅野雄也(27)は「いいサッカーができていた時は、1点取っても攻撃の回数が止まらないというか、湧いてくるようにもっと全員が攻撃参加していた」と昨季を思い返す。全体が押し上げ、攻めに厚みを出すことが現状打破には必要になる。 もちろん、難しさもある。ボランチの宮沢裕樹(34)は「うちとやる時は背後やカウンター狙いのチームも多い。追加点を取りにいくことは人数もかけなきゃいけないリスクはある」と口にする。FW鈴木が左太もも裏痛で欠場し、DF岡村が腰を痛めて途中交代するなどベスト布陣もそろわない。プラン通りに運べない状況は続くが、3戦連続で勝ち点奪取と底からは抜け出しつつある。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(66)の「力を出し切り粘り強く戦った」の言葉を実践し続け、次節以降、白星を勝ち取りにいく。(砂田 秀人) 〇…スパチョークの思いが得点につながった。前半10分、ペナルティーエリア外から右足を振り抜いた弾道は、相手選手に当たりゴールに吸い込まれた。今季出場5試合目での初ゴールに「相手に当たって良かった」とほほ笑んだ。かねて「シュートへの意識」を最も強調してきた。両足首痛を抱えながらその決意を形にはしたが、勝ち点3は得られず、「勝利に貢献したかった」と喜びは少なかった。
報知新聞社