「日本の消費者は倹約の時代から抜け出した」…日本の価値観に合った高級ブランドが恩恵を受ける(海外)
日本人の好みは「控えめなラグジュアリー」
エルメス(Hermès )は日本で強い勢いを見せ続ける一つのブランドだ。 コンサルティング大手、マッキンゼー(McKinsey)のグローバルビジネスストラテジスト兼シニアアドバイザーのマーティン・ロール(Martin Roll)によると、その理由の一つは、エルメスのイメージが日本の価値観と一致しているからだという。 その一貫性、クラフトマンシップ、そして「派手なブランドイメージよりも品質」というバーキン(Birkin)のバッグメーカーとしての特性は「あからさまな派手さはなくとも、伝統と特別感を伝えるさりげない贅沢を求めている日本の消費者の気持ち」と一致しているとロールは話す。 「エルメスや同様のブランドが日本で成功しているのは、派手さよりも、品質、繊細さ、ミニマリズムを重視しているからで、これが日本の高級品市場で成功するための鍵となっている」
日本の価値観を捉えられるか
トレンドを先取りするブランドはこれまで、インドや中国など若い人口の多い地域では歴史的に成功を収めてきたが、「日本はより安定し、成熟した市場だ」とバンタは話している。特に高齢化が進む日本ではそれが顕著だという。 バンタは、プラダ(Prada)、ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、エルメスといったブランドは長年もわたってラグジュアリーの象徴と見られており、特定の商品には熱狂的なファンもいて、日本人との関係を維持し、勢いを保つだろうと見ている。 若い裕福な日本の消費者も、自分へご褒美を重視する傾向はある一方で、年長者と同じような価値観を多く持ち続けているとロールは話す。 「日本の若くて裕福な人たちは、伝統と現代の贅沢を組み合わせた高品質な商品に投資する意欲が強く、洗練されているが派手すぎないラグジュアリーな体験を提供するブランドを評価している」とロールは付け加えた。
Maria Noyen