あの頃“デュエリスト”だったキミたちへ 今こそ『デュエル・マスターズ プレイス』をすすめたい理由
小学生を中心に人気を博しているトレーディングカードゲーム(TCG)、『デュエル・マスターズ』。2002年に生まれた同タイトルは、令和に入った現在でもなお続く人気TCGのひとつだ。 【画像】デュエル・マスターズ史上初のプレミアム殿堂入りを果たしたカードとして知られる『無双竜騎ボルバルザーク』 そして、2019年12月から配信を開始した『デュエマ』のアプリゲームが『デュエル・マスターズ プレイス(デュエプレ)』だ。カードが無くても、スマホひとつでデュエルが楽しめる、いわゆるDCG(デジタル・トレーディングカードゲーム)。 過去にデュエマを遊んでいた人にとっては、なつかしさを持って遊んでもらえるであろう『デュエプレ』。そんな『デュエプレ』は、じつはカードゲーム初心者にとっても始めやすく、遊びやすいゲームでもあるのだ。 本稿では、カードゲームに興味を持つ方に、そしてかつてデュエマで遊んでいた方に向けて、5周年が近づく『デュエプレ』の楽しさをあらためてご紹介したい。 ■そもそも『デュエマ』とは? シンプルさと逆転要素が売りのカードゲーム 『デュエル・マスターズ』は、世界的TCG『マジック・ザ・ギャザリング』で有名ウィザーズ・オブ・ザ・コーストと、タカラトミー(当時のタカラ)が共同で発売したカードゲームだ。 ルールは「相手の5枚のシールド札を全て破壊し、トドメをさせば勝ち」という実にシンプルなもの。クリーチャーや呪文カードを駆使して相手の守りを削ったり、相手のクリーチャーからの攻撃を守ったり、破壊したりしながら勝利を目指す。 この「シールド」の存在は、『デュエマ』の楽しさを際立たせている、ユニークなルールのひとつだ。プレイヤーはデッキの上から5枚のカードを裏返して、シールドとして配置する。破壊されるとそのカードが手札に戻るのと、破壊された時にそのままカードを使える「シールド・トリガー」の存在も大きい。形成が不利になったかと思いきや、相手の攻撃から逆転が始まる……なんて展開もあるわけだ。 シンプルで、一発逆転に重点を置いたゲーム性。カードゲームでは嫌われがちな運要素だが、だからこそ対戦が盛り上がる。子どもの頃に感じたドキドキや、ワクワクとした気持ちを思い出させてくれるのは、間違いなく『デュエマ』の魅力だと思う。 ■アプリになってパワーアップしたプレイ体験 『デュエプレ』の魅力 『デュエル・マスターズ プレイス』は、そんなデュエマをスマホやPCで遊べるゲームだ。『デュエプレ』の魅力は語りつくせないが、筆者は3つの要素に注目した。 まずひとつ目は、豪華なアニメーションとボイスが実装されていること。これは他のアプリでも見られるものだが、やはりデジタルであることの大きな魅力だろう。場に出して戦う「クリーチャー(モンスター)」カード1枚1枚に声優によるボイスが実装されており、カードを使ったり攻撃したりするとセリフをしゃべってくれる。 クリーチャーたちはどれも強烈なキャラクター性を持っているのだが、ボイスが付いたことでそれぞれの個性がより際立っている。なかには、カードの設定に忠実なアニメーション・ボイスを実装しているカードもあり、当時の漫画・アニメファンであれば大歓喜間違いなしだろう。 さらに、通常版とはイラストが異なる「シークレットカード」を使うと、クリーチャーがアニメーションで動いてくれる。派手なエフェクトも付いていて、なんとも贅沢な仕上がりだ。シークレットカード欲しさにパックを剥き、やっとの思いで手に入れた時の感動は言葉にできない。 2つ目の違いは、能力の調整だ。一見地味な違いだが、カードゲーマーにとっては一番大事なポイントだろう。 基本的に、TCGで強かったカードは弱体化されたり、レアリティが上がったりして手に入りにくくなった。逆に、弱かったカードは強化され、使いやすくなっている。 また、パックに収録されるカードの内容も変わっている。パックのメインビジュアルを飾るレアカードこそTCG版と同じ順番で収録されているが、低レアリティのカードは10年以上後のものも混ざっている。逆に、優秀なサポートを失ったレアカードも少なくない。 結果、意外なカードが活躍したり、誰もが使っていたカードを見かけなくなったりと、面白い現象が起こることも。 たとえば、漫画版『デュエル・マスターズ』で黒城凶死郎が切り札として使用していた闇文明のカード「悪魔神バロム」はパワーが上がり、1度に3枚のシールドを破れる能力「T(トリプル)・ブレイカー」を獲得した。ほかにも、漫画版で白凰が使用していた光文明の「精霊王アルカディアス」は、後に登場した低コストの進化元「ピカリエ」などが収録されたため、スムーズに出しやすくなっている。 一方、TCG版黎明期の最強カードと名高い「アストラル・リーフ」は、優秀な進化元をゲームに収録しない形で調整されている。進化召喚時にカードを3枚ドローできるという強力な能力はそのままに、バランスのよい立ち位置に収まった。 また漫画版『デュエル・マスターズFE』で活躍した「母なる大地」は3コスト→8コストと大幅にコストが増加。強力なドローソースであった「アクアン」も、枚数が減るなど、さまざまなカードに調整がほどこされている。 もっとも、弱体化されてなお暴れた強力なカードも一部存在はするが……。デュエマファンの方であれば、“ボルバルザーク”という名前だけで大体察しがつくのではないだろうか。 召喚するだけで追加のターンをもらえる「ボルバルザーク」は、デュエプレへの実装時に前代未聞の弱体化がおこなわれた。具体的にはコスト大幅アップ、コストを無視した召喚の制限など、大幅な調整を受けたのだが……それにもかかわらず、この「無双竜騎ボルバルザーク」はどのデッキにも入る強さを見せつけたのである。 結局、デュエプレ初の殿堂カード(1枚制限)に指定されたことで、ボルバルザークは表舞台から姿を消すことになった。なお、TCG版では1枚制限がかかってもなおその勢いが止まらず、これまた史上初の禁止カードに指定されたという経緯もある。 最後に、アプリ内で登場するキャラクターたちに触れていこう。『デュエプレ』では、『デュエマ』のアニメ・漫画で登場したキャラだけでなく、オリジナルキャラやコラボキャラにも出会えるのだ。 オリジナルキャラはかなり人気で、専用のバトルBGM(しかも声優本人による歌唱付き)が作られたほどだ。人によっては賛否が分かれそうなものだが、アプリゲームのオリジナルキャラがここまで愛されるのは珍しいかもしれない。 また、コラボキャラも少なくない数が実装されている。たとえば、執筆時点の最新コラボでは、VTuberプロダクション・ホロライブの6期生・秘密結社holoXの5人が参戦している。コラボに際して、キャラクタースキンやオリジナルイラストを採用したバージョンのカードなどが実装された。 ちなみに、ホロライブとは秘密結社holoXを含め過去2回、にじさんじとは過去4回コラボしている。VTuberのスキンだけで、20人ほどが実装されている。 他にも『ポプテピピック』や『この素晴らしい世界に祝福を!』『七つの大罪』など、漫画・アニメ作品とのコラボ経験もある。初のコラボが、2005年当時『デュエマ』と映画が同時上映されていた 『ロックマンエグゼ』だったことも、個人的にうれしかったポイントのひとつだ。 そんなコラボキャラたちとは、特殊モードで対戦することも可能だ。コラボキャラとのバトルは、自分と相手にそれぞれ「スキル」が設定された特殊ルールとなる。相手が使う「レジェンドスキル」は、コラボ先への愛が感じられる内容が多く、コラボをきっかけにプレイし始めた方も満足できるだろう。 くわえてこのレジェンドスキル、とんでもなく手強いものばかり。特定のターンになると超強力なクリーチャーが出てきたり、自分が揃えたクリーチャーが一瞬ですべて破壊されてしまったり……。こう聞くと難しそうに思えるかもしれないが、うまくデッキを組めばきちんと勝てるようにはなっている。 原作を再現したり、コラボ相手の特徴をうまく取り入れながら、デュエルとしての面白さも確保した、絶妙なバランスだ。