『聖闘士星矢』ただの嫌われ者…じゃない?「蟹座のデスマスク」が愛すべき存在であるワケ
■外伝作品でのデスマスクの雄姿
最後に、車田正美先生の本編以外の作品にも少しだけ目を向けてみたいと思う。 秋田書店の『チャンピオンRED』に掲載されていた、岡田芽武先生の『聖闘士星矢EPISODE.G』では16歳の姿で登場。スタイリッシュな絵柄と年齢の若さも相まって、かなりのやんちゃキャラになっていた。 「オレは相当 邪悪だゼ?」「殺し合いだゼ」など、文末に片仮名の“ゼ”を使うのがお気に入りのようである。 後の『聖闘士星矢EPISODE.G アサシン』においては、聖域の命令とは言えヒロイン火野吉乃を護衛し、彼女から“良い人認定”されていたのは驚きだった。 なお、2014年に公開されたフルCGアニメ映画『LEGEND of SANCTUARY』での別人のようなむさ苦しいヒゲ面にひっくり返り、2015年にWEBアニメとして放送された『聖闘士星矢 黄金魂 -soul of gold-』で展開されたデスマスクのラブロマンスには本気でのたうち回った。 『聖闘士星矢』30周年公式サイトでも「戦いと殺戮を正義とする聖闘士にあるまじき卑劣な一面を持つ」と、しっかり“卑劣な一面”を強調されていたデスマスク。悪でありながらも、さまざまな魅力を秘めているのが彼の特徴なのだ。最近ではこういった外伝作品や、パチンコなどの影響もあって注目を集めることも多くなったが、これからもデスマスクの良さを探求し続けたいと思う。
高塔琳子