オアシス、チケットマスターのダイナミック・プライシング方式を北米ツアーでは使用しないと発表
オアシスが、2025年の再結成ツアーの北米公演日程を初めて発表した直後、同日程のチケット販売にチケットマスターのダイナミック・プライシング方式を採用しないことを明らかにした。「チケットマスターのダイナミック・プライシング・モデルは、北米でのオアシスのコンサートのチケット販売には適用されません」と、同グループは現地時間2024年9月30日にマネージメントを通じて公式声明を発表した。 声明は、「ダイナミック・プライシングは、ダフ屋対策として有効なツールであり、多くのファンにとってチケット価格を市場価格よりも低く抑え、より手頃な価格にできるという点で広く受け入れられています。しかし、チケット発売時にツアー全体の倍率が何倍にもなる可能性がある前例のないチケット需要が、その需要に対応できないテクノロジーと組み合わさると、その有効性は低下しファンにとって受け入れがたい経験となる可能性があります」と続き、「北米ツアーでは、英国およびアイルランドのファンが最近経験した問題の再発を回避したいと考え、この決定を下しました」と結ばれている。 この動きは、16年ぶりのオアシスのツアーの最初の日程発表がスムーズに進まなかったことへの対応だ。今年8月、2025年夏に英国とアイルランドで開催される同バンドの再結成ライブの100万枚のチケットをどうにか入手しようとファンが殺到し、長時間順番待ちをさせされたことへの怒りが巻き起こった。 何時間もデジタル回線に並んでスタンディング・チケットを入手しようとしたところ、需要の高騰によりそのチケット代がほぼ2倍に値上がりしていたことへの怒りがあまりにも凄まじかったため、英国政府はコンサート・チケットのダイナミック・プライシング方式について調査を開始することを約束した。当時、チケットマスターの広報担当者は、すべてのチケット価格はツアーのプロモーターによって設定されていると述べた。 近年、ダイナミック・プライシングは米国のライブ音楽業界では一般的になっているが、オアシスのカムバック・ツアー(ライブ・ネイション、SJMコンサート、MCD、DFコンサートが共同プロモーション)は、バンドにとって最も注目度の高い、そして英国およびアイルランドにおけるライブ・コンサートとしてはおそらく史上最大の展開となった。英国の競争規制当局は、オアシスのチケット販売開始後1週間で、ファンから数百件の苦情が寄せられたことを受け、チケットマスターに対する調査を開始した。 当時、オアシスは英国でのチケット販売展開について、「ダイナミック・プライシングが使用されることは知らなかった」と述べ、さらに「チケット販売と価格設定に関する決定は、すべてプロモーターとマネージャーに委ねていることを明確にする必要がある」と付け加えた。 2025年の再結成ツアーの北米日程は現地時間9月30日に発表された。来年8月24日にカナダ・トロント(ロジャース・スタジアム)で開幕し、8月28日に米シカゴ(ソルジャー・フィールド)、8月31日にニュージャージー州イーストラザフォード(メットライフ・スタジアム)と続く、北米5か所でのスタジアム公演が行われる。 現時点で北米ツアーは9月6日に米ロサンゼルス(ローズボウル・スタジアム)、9月12日にメキシコシティ(エスタディオGNPセグーロス)で公演が行われて終了となる。これら全公演のオープニング・アクトは、マットとブラッド・シュルツ兄弟によるバンド、ケイジ・ジ・エレファントが務める。