受験と生理が重なったら… 「痛み」「出血の漏れ」不安にさらされてきた女性たち 国は「生理も追試の対象に」
入試の季節、全国各地で高校や大学入試が続きます。国は去年、生理で受験ができなかった生徒を高校受験の追試の対象とするよう各都道府県に通知を出しました。多くの女性たちが悩まされてきた特有の体調不良。受験現場でも、理解と配慮が進む契機となるでしょうか。 【写真で見る】若い女性たちが抱く大事な場面で生理のタイミングが重なる不安
受験と生理が重なったら…
生理による体調不良。個人差はあるものの、悩む女性は少なくありません。若い女性たちは受験と生理について、どのように向き合っているのでしょうか。 「いままでやってきたことが無駄にならないか不安があります」 「お腹痛くなったら集中できなくなる」 「(生理と受験が重なったら)死ぬ気で頑張り切る」
不安の原因は
健康情報サービス「ルナルナ」が行った調査によると、受験と生理が重なったあるいは重なりそうになったことがある人は全体の約42パーセント。そのうち85パーセントの人が「不安だった」と回答しています。 不安の1位は生理痛や体調不良 2位はトイレへ頻繁に行かなければならないこと 3位は出血が衣類や椅子に漏れないかということでした。(調査2021年12月 3155人)
国会でもとりあげられた「受験と生理」問題
痛みだけでなく様々な悩みが伴う生理。去年、国会で入試での生理への配慮について議論が交わされました。 国民民主党 伊藤孝恵議員 「自治体の対応にばらつきがある。1発の入試で追試も認められないということがないようにしていただきたい」
文科省が「生理も追試の対象に」通知
議論を受け、文部科学省は、去年12月、全国の各都道府県の教育委員会などに出した通知です。月経痛や月経前症候群(PMS)で高校入試を欠席した場合も、追試験の対象とするよう求めました。追試の対象として、具体例のなかに新型コロナ、インフルエンザと並び月経随伴症状と明記されています。
これまでも「追試」対象にしてきた自治体も
福岡県の担当者は 「文部科学省の通知としては、生理の明記は、初めて出てきたものだと思います」 福岡県教育委員会ではこれまで、体調不良のひとつとして生理を捉え、受験できないほどの症状がある場合には追試を認めてきたということです。そのため3月5日に行われる公立高校の一般入試でも対応は変わらないとしています。 福岡県の担当者インタ 「生理だから追試だというわけではありませんので、その日に受験ができないくらい体調が悪いかどうかという症状で判断していくことになります」 また、福岡県教育委員会は、今年度から「当日の体調不良は別室受験が可能」と明記しました。「少しでも安心して受けてもらえたら」と話しています。