円安の恩恵どこまで? 最高益のトヨタも下請けは悲鳴
本社の「配慮」にも不信
トヨタ本社は先月、部品メーカーに対して半年ごとに要請している部品価格の値下げ、つまりコストダウンの見送りを決めました。円安効果を享受できない下請けの苦境をある程度、把握した上で、遠回しの利益還元となる「配慮」を見せたとされています。 しかし、これにも現場からは「あくまで一時的なもの。今後もコストダウンは続くはず」と、あきらめにも似た声が。本社と下請けの信頼関係は、とことん冷え込んでしまったようです。
全トヨタ労働組合の関係者は「売れる車種の部品を扱うかどうかで、下請けも二極化している。そうした事情も反映して、円安の利益は還元されるべきだ」と訴えます。 日銀が主導する今回の急激な円安では、原料を輸入に頼る食品企業などが悪影響に直面し、商品の値上げに追い込まれています。一方、トヨタなど輸出企業も、足元の不確かさはかなり深刻なものだと言えそうです。 そうした混沌とした実態が、17日に発表されたGDPのマイナス成長という数字によって裏付けられたのではないでしょうか。 (関口威人/Newzdrive)