実際のホームレス荷物強制撤去事件をベースに、人間の尊厳を問いかける社会派ヒューマンドラマ 映画『香港の流れ者たち』
香港アカデミー賞11部門、台湾アカデミー賞12部門を席捲し、日本でも「香港映画祭2022」で動員数No.1となった作香港映画『香港の流れ者たち』が公開される。この度、本作の予告映像が公開された。 香港の下町・深水埗で暮らすホームレスたち。出所祝いにヤクを打ち、こっそり万引きする‥‥そんな彼等の日常は、突然やってきた食物環境衛生署による“清掃”により失われてしまう。ソーシャルワーカーの助けを借り、政府に賠償を求め裁判を起こすが、和解金を前に意見が割れてしまい‥‥。 本作は2012年に高架下のホームレスが強制退去させられ、政府への賠償請求の裁判が起こされた「通州街ホームレス荷物強制撤去事件」をベースに制作。再開発のかげで追いやられるホームレスの排除問題を軸に、移民問題、そして薬物に蝕まれる貧困層など様々な社会問題を浮き彫りにしていく。 監督を務めたのは“新世代の香港映画”の俊英、ジュン・リー。長編2作目となる本作で、社会派ドラマという枠を超え、ヒューマンドラマとして深い余韻を引き出した。 ジュン・リー監督の元に集まったのは、香港の新旧世代を代表するスターキャストたち。80年代から香港映画界で活躍し、『エグザイル/絆』等で知られる香港のベテラン俳優フランシス・ンが、ヤク中のホームレスの人生の悲哀を表現。そのほかツェー・クワンホウ、ロレッタ・リー、『風の輝く朝に』で知られるセシリア・イップの特別出演も話題となった。 そして若手キャストは、『燈火は消えず』『返校 言葉が消えた日』等の話題作への出演が続くセシリア・チョイ、『別叫我“賭神”』でチョウ・ユンファの息子役に抜擢された注目俳優ウィル・オー、『私のプリンス・エドワード』や『星くずの片隅で』で注目されるチュー・パクホン等、注目の俳優が集結する。 映画『香港の流れ者たち』は、2023年12月16日(土)より全国ロードショー。
otocoto編集部
【関連記事】
- 第96回米アカデミー賞香港代表に選ばれた、ネオン職⼈の夫を亡くした妻の決意の物語 映画『燈火(ネオン)は消えず』
- アンディ・ラウ×トニー・レオン フィルム・ノワールの金字塔が日本公開20周年を記念してスクリーンに蘇る 『インファナル・アフェア 4K』3部作
- リム・カーワイ監督が、映画への情熱を胸に奮闘する全国のミニシアターを巡るドキュメンタリー 映画 『ディス・マジック・モーメント』
- リム・カーワイ監督最新作 未曾有の現実の中で人間の孤独と希望を映し出すラブサスペンスロードムービー 映画『すべて、至るところにある』
- 昨年に続き、今年も開催!「香港映画祭 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」