在タイ日本大使館の大森1等書記官（右）にお金を託すニコン氏（フェイスブックより）

　タイの人々は日本人に優しい－。日本人が被害者となった「ぼったくり事件」が一転して、タイ人の親日ぶりを改めて感じさせるエピソードになった。 【写真】観光客などによく利用される自動三輪車トゥクトゥク 　きっかけは日本人男性による5月13日のX（旧ツイッター）への投稿。男性はバンコクで、自動三輪車トゥクトゥクに計4人で乗車。5キロほど走って下車すると6千バーツ（約2万6千円）を請求され、最終的に2千バーツを支払った。普通のタクシーなら100バーツくらいだろう。この投稿を知ったタイ観光警察は被害者に報いるため、ドライバーの男（29）を突き止め、罰金2500バーツと90日の免停処分などを科した。 　話はこれで終わらない。ニコン元運輸副大臣は同29日、在タイ日本大使館のイベントに出席した際、この事件を大使館関係者に謝罪。ニコン氏は、被害男性にポケットマネーで補償しようとしたが、1週間捜しても男性を見つけられず、大使館の大森司1等書記官にお金を寄託。無事に被害者に渡された。 　観光への影響を心配したのかもしれないが、この対応には誠実な気持ちが感じられる。他国の人に対するこんな丁寧な対応は聞いたことがない。