こうすればフツーの会社員でも「新NISA枠1800万円で1億円」つくれる…ケース別・資産運用徹底シミュレーション
■ケース1 月5万円を20年積立投資では実現困難 月5万円であれば積み立てできるという人は少なくありません。簡単ではないものの、なかなか現実的です。月5万円を20年間積立投資すると投資元本は5万円×12カ月×20年=1200万円です。新NISAの非課税保有限度額1800万円を使い切っていません。この条件では、一番リスクの高い①株100%で計算してみても、残念ながら1億円には到達しそうにありません。実現確率10%でやっと7860.2万円以上、実現確率50%で3219.3万円以上と遠く及びません。ハイリスクの積立投資であることもあって、元本割れ確率が8%台と高めです(図表2)。 もしも、月5万円、20年の積立投資で1億円を目指すには、もっと高いリスクを取る必要がありそうです。株式100%の投資信託を超えるためには基本的に個別株、しかも成長株を選りすぐることができれば希望はあるかもしれません。投資信託の積み立てで目指すなら、米国のNASDAQ100に連動するタイプのような、より分散度合いが低くリスクの高い投資信託であれば可能性は高まります。いずれにしてもリスクは各段に高くなり、元本割れの確率も当然高まりますので注意してください。 ■ケース2 月5万円、30年積立投資だと実現確率約40% ではケース1の積み立て期間と運用期間を30年に延ばしてみましょう(図表3)。投資元本は5万円×12カ月×30年=1800万円と新NISAの非課税保有限度額の上限いっぱいまで到達します。ここでも最もリスクの高い①株100%で計算してみると、1億円の実現確率が約40%とかなり希望の持てる結果となりました。実現確率10%のものすごく運のいい人は、1800万円の15倍の2億7000万円以上という結果に。 30年と期間が長いので、元本割れ確率も4.5%と、積み立て、運用期間が20年の場合の半分近くに下がります。ちなみに、②株70%:債券30%では1億円以上になる実現確率は20%弱と期待できないわけではないものの、期待薄な結果です。 このケースは20代、30代の方が50代、60代に達するまで、教育資金や住宅資金などによる取り崩しをせず、積立投資を継続することが前提になりますが、1億円は決して絵空事ではないことがわかります。投資商品は先進国株インデックスファンドを前提としていますが、オルカンないしS&P500に連動するインデックスファンドなどでも同じような結果が期待できます。