大阪でいなか暮らしフェア 子育て世代の相談増加傾向に
移住合戦に黒装束の忍者職員も奮戦
全身黒装束の忍者が手裏剣ならぬ資料を手配りするのは、三重県伊賀市のブース。伊賀は忍者のまちだ。移住交流係が新設され、移住相談に応じる移住コンシェルジュも配置。移住関連のイベントがあれば、担当職員たちがお揃いのコスチュームに身を包み、伊賀忍者ブランドを生かして移住受け入れPRに余念がない。実際に忍者好きの人が関西から移住してきたという。 富山県高岡市では地元の自治体、商工会議所、ハローワークが協議会を設立。移住希望者の要望を聞きながら、新たな仕事探しを支援する移住促進サービスを始めている。鳥取県八頭町では地域団体が移住、観光、就農の3要素を連動した地域振興に力を注ぐ。 岡山県美咲町の持ち味は、里山の情景を満喫できる棚田。移住希望者のために「お試し暮らし住宅」を設けており、気軽に移住生活を体験できる。多彩なジャンルのアーティストが滞在する芸術村構想も進行中。9月から10月にかけて芸術交流イベント「美咲芸術世界2017」が開催され、アーティスト系の人たちが活動しやすい環境醸成をめざす。棚田とアートのコラボレーションだ。
「半農半X」で自分らしく暮らしたい
大阪ふるさと暮らし情報センターの担当者は、移住志向の近年の傾向を「半農半X(エックス)」と説く。小規模でも農業を営むとともに、各自の特技や趣味を生かした仕事を組み合わせて生計を立てていくライフスタイルだ。 「移住を機に会社勤めにピリオドを打つ。農業で自然とふれあいながら、収入は減っても自分らしく生きていきたいという思いを持つ人たちが増えてきたのではないか」と話す。移住を決断実行することで、人生の早いうちに暮らしぶりや人生そのものをリセットする。 少子高齢化が進む中、子育てや教育から観光・地域振興、農業再生、働き方改革まで、さまざまな要素を巻き込みながら、移住はますます大きなテーマになりそうだ。移住に関する詳しい情報は大阪ふるさと暮らし情報センターの公式サイトで。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)