にじんだ強い決意 王鵬、新三役へ再挑戦―大相撲九州場所
今場所に懸ける強い決意がにじむような粘り強い相撲だった。 王鵬は琴桜に攻め込まれた土俵際。いなして体を入れ替え、反撃に転じる。足を止めずにしぶとく押し続け、重さのある大関を土俵の外に追いやった。 「しっかり我慢できた。よく動けたと思う」。同じ二所ノ関一門に所属。場所前には出稽古で胸を借りた相手を2場所続けて破った。9月の秋場所で右目付近を骨折し、10月に手術を受けた影響を感じさせなかった。 西前頭2枚目だった秋場所は大関豊昇龍も撃破して9勝。幕内上位で通用する力を示したものの、番付運に恵まれず、新三役昇進はお預けに。「今場所は特に勝たないと意味がない」ときっぱり。東筆頭で臨む一年納めの場所。チャンスを逃すまいと意気込む。 3大関との対戦はこの日で終了。八角理事長(元横綱北勝海)は「確かに強くなっている。きょうの相撲はいい」と地力が増していることを認める。「圧力は付いてきた。これを続けていきたい」とは王鵬。3日目につかんだ初白星を上昇への足掛かりにする。