ゴーン元会長、日産は「パニック状態」 ホンダとの経営統合に発言
【AFP=時事】日産自動車元会長のカルロス・ゴーン被告(70)は23日、競合するホンダとの経営統合交渉へ臨む日産について「パニック状態」にあると語った。 【写真】共同会見を行う日産自動車の内田誠社長、ホンダの三部敏宏社長、三菱自動車の加藤隆雄社長 日産とホンダは同日夕方、三菱自動車も加えて共同会見を開き、経営統合へ向けた協議入りを正式に発表した。 逃亡先のレバノンの首都ベイルートからリモート会見したゴーン被告は2018年、会社法違反(特別背任)罪などで日本で逮捕・起訴されたが、保釈中に楽器ケースの中に隠れて国外脱出した。 ゴーン氏は会見で、日産とホンダの統合は「正直、うまくいくのか疑問だ」と発言。日産に「直面している課題への対処能力があるのか、分からない」とし、「それが、彼らがある意味で降伏し、パニック状態で『助けてほしい』と言っている理由の一つだ。しかも日産の宿敵に頼ろうとしている」と評した。 また日産は「自らの弱さと失敗によって疎外されてしまった」と主張。「ホンダは日産よりはるかに強いが、それでもなお、業界における成長勢力とは言えない」と付け加えた。 さらにゴーン被告は、日産とホンダは強みと弱みが重複しているとの理由から、経営統合については「驚いた」と述べ、「産業の観点から、あらゆる面で重複がある。だから私には意味がないように見える」と続けた。 日産をめぐっては台湾の電子機器メーカー、フォックスコンも買収を提案したが成功しなかったと報じられている。 ゴーン被告は、日本政府が日産を「他の日本企業の手に委ねることを好むなら、政治的には意味がある」「しかし、それはまた業績よりも管理を重視することを意味する」とも付け加えた。【翻訳編集】 AFPBB News