ぼる塾・あんりと田辺「お互いを邪魔だと思っていた」
「いつかみんなのために頑張るから」と思って休む
桝本 一般の企業でも体調不良で休みを取るって、実はけっこう難しいというか言いだしにくいことだと思うんだよね。田辺さんはディズニーのキャスト時期はどうされていました? ※田辺は約7年間、ディズニーリゾートのキャストとして働いていた 田辺 キャスト時代は「チーム全員で支え合う」という意識が共有されてたし、各自の事情を分かってくれる人がたくさんいましたね。なので、その頃も普通に休むことはありましたし、私は環境に恵まれていると思います。 あんり 田辺さんは休むこと以前に、日常で人に頼るのがうまい気がします。だから、田辺さんから頼られるのって誰も嫌じゃないんですよ。むしろ「私が代わりにやるから休みな!」ってこちらから言いたくなる存在というか。 私は「人に上手く頼れない」というコンプレックスがあったので、田辺さんのそのすごさが分かるんです。コンビ時代から、相方にも周りにも上手く頼れなかったし、「自分はやります!」と言うことで強さを見せつけるような生き方をしていました。人に頼るのも大事だと気づけたのは、ぼる塾として活動するようになってからですね。 田辺 酒寄さんも昔は休むのがムチャクチャ下手くそだったよね。絶対に無理な状況なのに「頑張る!」って言うタイプ。自分が休む時って、申しわけなさも確かにあるんですけど、私は「いつかみんなのために私も頑張るからね」という気持ちで休んでいるのかもしれないです。 桝本 「いつか取り返すから」と。いい考え方やなぁ。
「そもそもすべての問題を解決できるはずがない」と考える
桝本 チームって言葉が田辺さんからもあったけど、4人の間でちょっと揉めたりとかゴタゴタがあった時はどう解決しているんですか? あんり そういう時は逆に話し合わないよね。あえて問題を解決しようとしないし、解決することはないと思っています。4人で活動を続けるなかで、すべての問題を残らず解決していこうと思うとストレスがたまっちゃうので。 田辺 私もぼる塾を結成したばかりの頃は、もうすべてがすべて、足並みを揃えなきゃいけないと思っていました。でも今は「こんな変な4人がそもそも合うはずがない」と思っています(笑)。 あんり 誰かがイライラしていても、「今はそういう時期なんだろうな」と思って変に介入しなくなったよね。いい意味で”他人事”でいるのがいいのかなと私は思ってます。 はるか 何か問題があっても、「嵐が過ぎるのを待つ」みたいな感じ。 あんり みんなで話し合うことで、「正しいか正しくないか」みたいになっちゃう可能性もあるじゃないですか。 桝本 確かに。揉め事が起こったら「お前はセーフ、お前はアウト」みたいに仲裁する“審判”になりたがる人っているけど、ぼる塾はそれをやらないんだ。 あんり でも、実は昔の私は「自分が正しい」「自分は頑張っている」ということをみんなに分かってほしい人間でした。前にみんなで集まった時に、「私が頑張ってきたこと発表するから聞いて!」って突然言いはじめて、3人をシーンとさせたことがあって(笑)。 桝本 それ、はるちゃんもびっくりしたでしょう? はるか はい。いつも使っているネタ帳に、手書きで自分の頑張ったことをびっしり書いてきて。 あんり でも、それを発表してシーンとした空気を感じた時に、「私は今、何をやっているんだろう?」と思いました。昔の私は、とにかく“正しく”ありたかった。もっと言うと、「私はこんなに頑張ってるから、あんたたちに何も言う権利ないよ」みたいな感じでみんなをやり込めたかったんですよ。でも、それは間違っていました。