たびたび問題の“撮り鉄”を歓迎する町が話題 国土交通大臣も視察「涙が出そうに…」 地域一丸となり“おもてなし”
JR西日本から感謝状も
桜のシーズンなど多い時には1日約400人の撮り鉄が、人口約960人の小さな集落へ集結する。 そこで「撮り鉄歓迎」の一環として用意したのがトイレだ。備中川面駅のトイレは壊れて利用できないため、簡易トイレを設置。さらに近くの神社などから約100台分の駐車スペースを借りたほか、地元業者に弁当の販売も働きかけた。 さらに、500円の募金をすると、地域の高齢者が手縫いした「やくもストラップ」がもらえるという。持つと良い撮影ができるお守りとしてSNSで拡散され、撮り鉄の間では「ハッピーやくも」と名付けられている。 訪れた人は「布や鈴、ビーズも使って、一つ一つ手作りですごい。うれしい」「歓迎していただくのはありがたいこと。僕らのマナーを守って、地元の方も歓迎していただくということ。いい関係だと思う」と話した。 地域が一丸となった温かなおもてなしで、撮り鉄の問題行動はほとんど見られなくなり、JR西日本からは感謝状が届いた。 JR備中高梁駅の国富靖二駅長は「旧型やくもが姿を消すということで、たくさんの人が写真を撮りにきている。そんな中、地域の人々の取り組みで周辺の人々の生活に支障ないような取り組みをしてもらい、大変助かっている」と感謝の言葉を述べた。
国土交通大臣が撮影スポットを視察
そして、川面地区のムーブメントは国交大臣の耳にも入り、“鉄道ファンと地域、そして鉄道会社の共存は珍しい”と、5月25日に撮影スポットを視察に訪れた。 斉藤鉄夫国土交通大臣「これがハッピーやくも?これが鉄道ファンのお守りになっているんですよね」 TEAMひとよせ・青野学而さん「お気に入りの物をお持ちください」 斉藤鉄夫国土交通大臣「1つ買います。私のお守りにします」 斉藤鉄夫国交相は「撮り鉄の皆さんが、自分たちもちゃんとマナーを守りながら、楽しもうということを自ら広められたという話を聞いて、ちょっと涙が出そうになりました」と感動した様子だった。 TEAMひとよせ・青野学而さん: 川があって鉄橋があって山がある、日本の原風景、鉄道の原風景は大事な財産ですねと言われ、うれしかった。これで終わってはいけないという責任感とプレッシャーがある 撮り鉄にやさしいおもてなし。6月に国鉄時代の特急やくもはラストランを迎え、川面地区には再び熱い視線が注がれる。 (岡山放送)
岡山放送