18番（パー4）でバーディーを奪い拳を握った阿久津未来也＝有馬ロイヤルGC（撮影・鈴木和希）

パナソニックオープン第2日（20日、兵庫・有馬ロイヤルGC＝7100ヤード、パー72）6位で出た阿久津未来也（みきや、29）＝フリー＝が8バーディー、2ボギーの66で回り、通算13アンダーで暫定首位に浮上した。2番（パー4）から2メートル、1・5メートル、4メートルを沈めて3連続バーディー。8、9番でも伸ばすと、後半も3バーディー（2ボギー）にまとめ、「3～4メートルのパットが入ってくれた。6アンダーまで持ってこられてよかった」とうなずいた。 ツアー初優勝に飢えているプロ8年目の29歳。8月の「横浜ミナトチャンピオンシップ」では、2打リードの単独トップで最終日を迎えたが、米沢蓮に逆転を許して2位に終わった。「悔しい思いをした。今は『勝ちたい』ではなく、『勝たなきゃいけない』という使命感がある」。その思いは、プレー中の仕草にも表れている。自ら「普段は澄ましてる」と認める阿久津だが、この日はバーディーを奪った18番（パー4）で力強く右こぶしを握った。「自分を鼓舞するためにガッツポーズした」と気持ちを全面に出してスコアを伸ばした。 宇都宮市出身だが、兵庫には何かと縁がある。兵庫・鳴尾GCで開催された日大4年時の2016年「日本学生」で優勝。プロへ進むきっかけとなる1勝だった。兵庫・小野東洋GCで行われた22年のこの大会では、ツアーで自身初のホールインワンを達成。さらに日大卒業後は兵庫・六甲国際GCを練習拠点とするため、神戸市に移り住んだ。7年以上経った現在も神戸に住み続けており、「兵庫は第二の故郷」と話す。「兵庫のゴルフ場には絶対に縁がある。プラスなイメージを持って、どんどん上にいって自信をつけたい」。特別な場所で、悲願の初Vを狙う。