京都・下鴨神社に「禮殿」完成…今月から参拝可能に
下鴨神社(京都市左京区)に、厄よけや七五三など一般の人々の 祈祷きとう をする「鴨社 禮殿らいでん (御祈祷所)」が完成した。現在地で禮殿が再建されるのは平安時代前期以来という。本殿の祭神が 分祀ぶんし され、1日から1か月間、「一番祈祷」を受け付ける。
禮殿は、境内の楼門の東側に位置する。木造平屋の旧 直会なおらい 殿を拝所として改装し、祭神を分祀する本殿を設置。祈祷を受け付ける「 祝はふり 殿」を増設した。
神社は古来、朝廷が国家安寧を祈祷する場だったが、戦後は個人の祈祷も行ってきた。本殿(国宝)前の祈祷所である 弊へい 殿(重要文化財)は収容人数が40~50人と手狭で、文化財のため車いす利用者などの段差解消も難しかった。禮殿では約110人が参拝できる。
新木直人宮司は「長年の願いを実現できた。自身の健康や世の中の平穏をぜひお願いしてほしい」と話した。