「トータルで30分ぐらい」「金額の説明はなし」元ジュニアが明かす“面談で感じた違和感”
「被害者対応に全力を尽くす――」 東山紀之社長(57)の宣言を実行すべく、SMILE-UP.社(旧ジャニーズ事務所)は被害者との面談を本格的にスタートさせた。被害実態の把握と補償についての説明を兼ねたもので、事務所の補償申請フォームから問い合わせを行った被害者を中心に実施されているという。しかしその対応には疑問点が多い。 【画像】かたく目を閉じ…事務所の面談を受けた元ジャニーズJr.の田中さん「苦悶の表情を浮かべて」…! 「対応の遅さは問題だと思います。11月には実態を告発した被害者男性が誹謗中傷などを苦に自殺していたことが明らかになりました。遺族によると、男性は今年5月に事務所に電話をして被害実態を訴えたところ、『担当者から必ず折り返す』と言われたそうです。しかしその後、SMILE-UP.社が男性に連絡をすることはなかった。もし、もっと迅速に対応がなされていたら、こんな悲劇は生まれなかったかもしれません。 また補償額についても基準をある程度公開してほしい。被害状況が多岐にわたり、プライバシーにも関わることだとは理解していますが、今の事務所に対しては『事実を隠蔽するのではないか』という疑念を持つ方も多い。すでに1000万円以上の金額を提示された被害者もいるようですが、『法を超えた救済』を謳う以上、その額をどこまで出し続けられるのか。今後の対応にも注目が集まります」(性暴力被害に詳しい弁護士) 後手後手の対応が目立つ被害者への補償。そんな中でスタートした面談では、トラブルはなかったのか。11月中旬、本誌は面談を終えた直後の元ジャニーズJr.の田中斗希さんに話を聞いた(以下、「 」内の発言はすべて田中さん)。 ――面談お疲れ様でした。率直に今の感想をお聞かせください。 「緊張していたんですけど、窓口の方が話しやすかったですね。(事務所関係者は)3人いると聞いていたんですけど、面談対応していたのは2人でした。冒頭では『救済委員会が間に入ったことで遅れが生じている』と説明がありました」 ――面談ではどういったことを聞かれましたか。 「主に時系列について聞かれました。何月何日に入所してどういった仕事をしたか、どういったタイミングで社長に家に誘われたかというのを聞かれました。あとは被害にあった後の精神状態なども聞かれました。面談時間はトータルで30分くらいでしたね」 基本的に、事務所の説明には「納得している」と強調した田中さん。面談を終えた表情は、少し晴れやかにも見える。しかし、“あるポイント”については不安が残ったという。肝心の補償額について、なんの説明も行われなかったというのだ。 「金銭的な話はなくてですね、最後の最後でこちらから金銭的な話はどうなりますか、って聞きました。『最終的に今日の話を一回揉んでから決定する』ということでした。だから日本での事例をもとに金額を決めるのか、それとも海外の例を挙げていくのかと聞きました。それに対しては、『日本での金額は少ないので、多くしたいと思っている』と仰ってくれました」 ――面談は今回限りと聞きました。一度で被害状況を正しく把握できるのか疑問ですが、そのあたりはどのように思われますか。 「たしかに『こういった形の面談は今回限りになるかな』と言われました。ただ今回、自分の弁護士を連れて行っていなくて。弁護士を同席させての面談を希望したい場合はどうすればいいかと聞いたところ、また機会を作ってくれるという話でした」 ――誹謗中傷を苦に自殺した方も出ています。その辺りはどうでしょうか。 「亡くなってしまった人に対しては残念だったと思います。僕のもとには誹謗中傷はあまり寄せられていないのですが……。元ジャニーズJr.の知り合いもみんな、不安がっていますね。金額の面に関してもですし、(事務所の)対応にしても」 ――改めて、故・ジャニー喜多川氏についてはどう思われますか。 「こう言うと変に聞こえるかもしれませんが、僕は、恨みはありません。ただ、辛い人生を歩んでいるということをわかってほしい。だから会社の方がこうやって誠意を見せて、補償に動いてくれるというのはありがたいです。あと個人的にはジャニーズという名前が無くなったのが悲しいですね。みなさんの在籍の形が変わってしまうのも寂しいです」 最後に田中さんは「問題の中心である被害者への補償話も進んでいるので、もうそろそろ鎮火していいのではと思います」とポツリとこぼして去っていった。 現在も行われる被害者救済の面談。一人でも多くの被害者が納得し、救われるために、SMILE-UP.社には誠心誠意、迅速に対応が求められる。
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