雅子さまは「フリル」調で華やかな存在感 愛子さまは清楚な美しさ 明治神宮参拝で「競演」した白いロングドレスの輝き
明治天皇の皇后だった昭憲皇太后を祀る東京・明治神宮に今月9、10の両日、没後110年の節目にあわせて、天皇、皇后両陛下や長女の愛子さま、上皇ご夫妻が参拝した。女性皇族方は白いロングドレスをお召しだったが、それぞれの個性の光る参拝服の「競演」となった。 【写真】まさに「美の競演」!雅子さまと愛子さまらの白のドレスはこちら * * * 9日は、雨と風が強まるなかでの参拝となった。モーニングコートに身を包んだ天皇陛下は、宮司の先導で拝殿に進むと、玉串を捧げて拝礼した。続いて皇后雅子さまも白い参拝服であるロングドレスで拝礼。 明治神宮は、明治天皇と、その妻である昭憲皇太后を祀る場所だ。 昭憲皇太后は社会福祉事業へ力を注いだことでも知られている。両陛下の長女、愛子さまが就職した日赤と皇室の縁も、昭憲皇太后の活動がきっかけとなった。 昭憲皇后は、1912年の赤十字国際会議で、現在の価値で3億5千万円ほどにあたる10万円を寄付している。このお金を基に昭憲皇太后基金が設立された。 それまで戦争救護を主におこなっていた赤十字が自然災害や疾病予防といった平時の活動に力を注ぐ転機となり、それ以降、歴代皇后が名誉総裁に就任することになった。 愛子さまが勤務する日赤に強い影響を与えた昭憲皇太后を祀る神社だけに、今回の参拝も感慨深いものになったに違いない。 ■ここぞという場面では「フリル」をお召しの雅子さま この日の雅子さまの参拝服は、白いロングドレスにジャケットを羽織ったもの。 普段はシャープなラインをお好みの雅子さまだが、やわらかい曲線のデザインをお召しだった。
たとえば天皇陛下の即位に伴うパレード「祝賀御列の儀」で雅子さまは、ローブデコルテの上に華やかなフリルがあしらわれたジャケットを合わせたように、「ここぞ」という場面では華やかなデザインを着用することも少なくない。 長年パリコレで取材を続けたファッション評論家の石原裕子さんは、ロングドレスの上に羽織った個性的なジャケットが印象深いものだったと話す。 「上の襟はごく一般的なテーラードジャケットですが、下の襟とジャケットの裾は『ほたて貝』の丸い殻をイメージした『スカラップ』にデザインされ、変化を持たせていらっしゃる。下襟の丸みを大きくとり、ジャケットのウエストから裾のひろがりをたっぷりとり、『スカラップ』のデザインを加えることで、華やかさが増しています」 あいにくの雨だったが、ドレスはたっぷりと丈をとったフレアスカート。シンプルな服装を好まれる雅子さまだが、この日は、「フリル」調のデザインが入った参拝服で大輪の花のような風格を印象付けたと石原さんは話す。 一方、翌日に明治神宮を訪れた長女の愛子さまが着用していたロングドレスは、採寸して仕立てる際に用いる「原型」のデザイン。首まわりもノーカラー(襟)で全体に装飾を省きつつも、ウエストに入る細かなギャザーでスカートがきれいにふくらんでいる。 また、雅子さまと同じ日に参拝した上皇后美智子さまは、ひさしぶりに白いロングドレスの上にケープ型の上着と小皿帽子をお召しだった。 ドレスやスーツの上に共布のマントやケープを重ねるスタイルは、美智子さまがデザイナーの故・植田いつ子さんと相談して独自に考案したものだった。植田さんによれば、公務ではコートの着脱もままならない場面が多い。このスタイルであれば、羽織ったまま手を振る動作も容易で、コートよりも素早く着脱しやすいというメリットがあったという。