天安門35年、追悼の動き警戒 中国、真相究明求める声を無視
【北京共同】中国共産党・政府が民主化運動を武力弾圧した1989年の天安門事件から4日で35年となった。北京中心部の天安門広場などでは治安当局が厳戒態勢を敷き、市民の追悼や抗議活動に警戒を強めた。習近平指導部は犠牲者の遺族の監視を徹底し、民主派を抑圧。事件を「動乱」と認定して民主化要求運動を武力で抑え込んだ対応を正当化し、真相究明を求める国際社会の声を無視している。 【写真】天安門事件から2年半後に駐中国大使「中国は必然的に民主化」92年10月に天皇訪中
4日早朝、天安門広場やその周辺には制服姿の警察官や武装警察官が多数配備された。毎日恒例の国旗掲揚式を見るために広場に訪れた観光客の姿もある中、通行人や車両に目を光らせていた。 遺族の会「天安門の母」は声明を発表し、真相解明や正確な犠牲者数の公表、事件の責任追及を政府に要求。「35年間、私たちは(犠牲者が)家を出た時の姿を忘れたことがない」と訴え、習国家主席に遺族と対話するよう呼びかけた。 当局はインターネット上でも厳しい情報統制を行い、事件の情報を完全に遮断している。