テロ対策「警戒 高める」 警察庁長官が福島第1原発視察
福島県内を訪れている警察庁の露木康浩長官は4日、東京電力福島第1原発でテロ対策などの警備状況を視察した。終了後、記者団に「原発がテロの標的となるようなことはあってはならない」と強調。「処理水排出やデブリ(溶融核燃料)の取り出しなどで非常に高い社会的関心を集めており、警戒力を高める必要がある」と述べ、ドローンなどを対象とした訓練を高度化させる考えを示した。 警察庁長官の福島第1原発視察は2015年以来。24時間態勢で警戒に当たる原発特別警備部隊の加藤優人分隊長から現状報告を受け、「特殊な環境下だが全力で緊張感を持って警戒に当たってほしい」と督励した。その後、東電幹部から処理水放出の手順などを聞きながら構内を見て回った。 大熊町にある県警特別警ら隊の拠点に赴き、隊員を激励した。同隊には17道府県警と皇宮警察からの出向者を含む46人が所属し、帰還困難区域を中心にパトロール活動などに従事している。露木氏は記者団に「現在の枠組みを維持しながら全国警察を挙げて復興支援を続ける」と明言した。