【プレイバック’04】顔は真っ赤、目はトロンと…小泉首相が六本木で酔っぱらった「イラク派兵の夜」
10年前、20年前、30年前に『FRIDAY』は何を報じていたのか。当時話題になったトピックをいまふたたび振り返る【プレイバック・フライデー】。今回は20年前の’04年1月30日号掲載の「イラク派兵の夜、小泉首相『六本木で酔っ払い』」をお届けする。 【すっかりご機嫌♪】すごい……赤ら顔で店から出てきた小泉首相 この前年の7月にイラクへ自衛隊を派遣するための『イラク特措法』が成立。派遣に反対する声が渦巻く中、‘04年1月9日に石破茂防衛庁長官(当時45)は会見を開き、陸上自衛隊の先遣隊と航空自衛隊本体に出国を命じたことを発表した。本誌が見たその夜の小泉純一郎首相(当時62)の動向だ。 ◆日本酒をかなりのピッチで…… 《その歴史的会見の直後、 自衛隊のイラク派遣を強引に決定した張本人・小泉純一郎首相はどこにいたか。首相はなんと、東京でも屈指の歓楽街・六本木で一杯ひっかけていた。》 石破長官の会見後に官邸でコメントを述べた小泉首相は都内のホテルでロシアの国営放送の取材を受けた。その後、専用車で六本木に移動し、午後8時前には鯛めしで有名な日本料理店に入ったのだった。店内ではどのような様子だったのだろうか。当時の記事によると、かなりリラックスしていたようだ。 《カウンター席だけのこぢんまりとした店内で、首相は右に〝知恵袋〟の丹呉泰健秘書官(財務省出身)、左には郵政民営化問題などでアドバイザー役を務める経済評論家の田中直毅氏を従え、くつろいだ様子で食事を始める。店の外からは、スーツの上着を脱ぎ、前掛けをかけて料理に舌鼓を打つ首相の様子が見えた。椅子にふんぞり返って座る首相の姿からして、かなりくだけた「宴席」のようだ》 《首相は日本酒をかなりのピッチで飲み続けた。1時間もすると、顔がかなり赤らんでくる。ときおり、身振り手振りで何かを力説しているかと思えば、椅子に沈み込むようにしてボケッとしたり。明らかに酔っぱらっている。 やがて午後10時になろうかという頃、店から出てきた女将が、紙袋二つを首相の専用車のトランクに積み込む。首相は独身だが、公邸で一緒に住んでいるといわれる、姉で政策秘書の信子氏への「お土産」だろうか?》 それからしばらくして、店から出てきたご一行。ふだんはかなり早足で移動する小泉首相だが、この日はゆったりとした足取りで顔は真っ赤、目までどこかトロンとしていた。首相は満足そうな笑みを浮かべ、SPを引き連れて六本木の街を去っていったのだった──。 この当時、連日のように米軍が武装勢力に攻撃されたり、自爆テロが相次いでいた〝事実上の戦地〟へ自衛隊を派遣するということは、歴史的な決断といえた。しかもイラクでは前年の11月に日本人外交官が襲撃され、死亡するという事件も起きていた。 ’01年に「小泉旋風」で首相に就任した当初は、80%を超える支持率があった小泉氏。’02年には日朝首脳会談を実現させて北朝鮮に日本人拉致を公式に認めさせるなどして国民から高い支持を得ていた。自衛隊のイラク派遣をめぐる問題は、そんな彼にもっとも大きな逆風が吹いた時期だと言っていいかもしれない。 だが、この後’05年には小泉氏は郵政民営化をかけて「郵政解散」というさらに大きな勝負に挑むこととなる。「自衛隊が戦地に派遣されるという日にけしからん」そんな声を気にするよりも、一仕事終えた気分だったのだろうか。小泉氏らしいといえば小泉氏らしい。
FRIDAYデジタル