老舗喫茶店、人材確保へさらなる値上げを検討 但馬屋珈琲店
イナバ商事は今年、「但馬屋珈琲店」全5店舖でさらなる値上げを検討する。 コーヒー豆の高騰や円安によるコストアップが背景。昨年5月に実施した値上げが受け入れられたことにも手応えを得る。 看板メニューの「特選オリジナルブレンド」は780円から830円に改定したが、客数を大きく落とすことなく順調に推移し前期(12月期)は増収増益で着地した。 さらなる値上げについて、4月1日取材に応じた倉田光敏社長は「コーヒー相場や為替の動向が不透明なため将来に備えるためと、人材確保のための賃上げの原資にしていく」と説明する。 「但馬屋珈琲店」の運営は人材が要となる。コーヒーは直火(ちょっか)式焙煎による深煎りコーヒーをネルドリップ抽出で提供している。 賃上げによりスキルを持った従業員の離職を抑制していく。 前期実績は、売上高12.1%増、営業利益64.1%増。直営店は、昨年7月に新宿南口店、一昨年10月小田急店を閉店したものの、カフェテラスシルエットと本店の大幅増収がこれを補った。外販(卸売)事業の売上高も36・8%増となり前期実績に貢献した。 今期1-2月の売上高は5.5%増。内訳は以下の通り。 ――本店:14.6%増 ――カフェテラスシルエット:3.8%増 ――コピス吉祥寺店:20.8%増 ――池袋東武店:18.4%増 ――外販(卸売)事業:62.7%増 ――通販事業:2.8%減 店舗数は、1月16日に「但馬屋珈琲店mini明治屋京橋ストアー店」が開店し現在5店舗。