桂ざこばさん死去 76歳、喘息のため 上方落語の重鎮 事務所「あまりに突然のことで」
上方落語の重鎮、桂ざこばさん(本名関口弘=せきぐち・ひろむ)が12日午前3時14分、ぜんそくのため、大阪府内の自宅で亡くなった。76歳。所属の米朝事務所が同日、発表した。 【写真】弟子の襲名会見に出席していた桂ざこばさん 通夜、葬儀は本人及び家族の意向で、家族葬で行うという。 同事務所は「あまりに突然のことで、ご家族も今は悲しみに暮れるばかりです」としている。 同事務所によると、ざこばさんは、前日夜、自宅で普通に夕食をとり就寝。ぜんそくの発作に見舞われ、夫人に「薬ちょうだい」と言い服薬したが、意識を失ったようだ。その後、ざこばさんの意識がないことから、夫人が救急車を呼び、病院に運ばれたが、息を引き取ったという。 ざこばさんは4月30日に行われた一門のひろば、ちょうば、そうばの襲名発表記者会見にも出席していた。 同事務所の滝川裕久代表取締役は「我々スタッフにもお気遣いくださる、とてもすてきな師匠でした」としのび、「追ってお別れの会を執り行う予定ですが、取り急ぎ応援してくださったみなさまに深く感謝しますとともに、謹んでお知らせ申し上げます」とした。 ◆桂(かつら)ざこば 本名・関口弘(せきぐち・ひろむ)。1947年(昭22)9月21日、大阪市出身。63年、桂米朝に入門。桂朝丸(ちょうまる)を名乗る。内弟子修行を経て、高座での経験を積む。「動物いじめ」(数々の動物をいじめるネタ)で注目を集める。話題のニュースをセンセーショナルに伝える日本テレビ「ウイークエンダー」(75~84年)のリポーターで全国区の人気者に。 88年、2代目桂ざこばを襲名。「ざこば・鶴瓶らくごのご」「ときめきタイムリー」「痛快!エブリデイ」「ちちんぷいぷい」など在阪各局のテレビ番組に多数出演。一方で落語にも力を入れ、08年には寄席「動楽亭」(大阪市西成区)をオープンさせる。92年、03年、上方お笑い大賞。17年、芸術選奨文部科学大臣賞。タレント関口まいは次女。