【陸上】池田向希を22年まで指導した東洋大の酒井瑞穂コーチ「アンチドーピングの実践を徹底」
世界陸連の独立不正監査機関、アスリート・インテグリティー・ユニット(AIU)は11月1日、男子競歩の池田向希(旭化成)に対して暫定的な資格停止処分を下した。生体パスポートの数値の変動によりドーピング違反の疑いがもたれている。 競歩の池田向希 ドーピング違反疑惑で暫定的な資格停止処分 東京五輪、オレゴン世界陸上で銀 東洋大時代から22年オレゴン世界選手権後まで指導した酒井瑞穂コーチが11月2日、取材に応じた。酒井コーチは「東洋大時代には毎日のトレーニング、食事、体調などを記録し、月に一度ドーピング検査とは別に血液検査をしていて、体組成の変動などデータを取り、異常値が出たことはありませんでした。AIUの抜き打ち検査もすべて問題なかったです」と説明する。 また、現役学生も含め「日本陸連が出しているアンチドーピングの教育をもとに徹底して実践してきました。池田にもそれは根付いていると思います」と話し、「ドーピングなど考えたこともありませんし、血液ドーピングの方法も知りません」と酒井コーチ。池田について「競歩の競技特性などの影響で数値が変動したのではないか。何かの間違いだと信じています」と語った。 池田は酒井コーチのもと、19年ドーハ世界選手権6位、21年東京五輪と22年オレゴン世界選手権で銀メダルを獲得。その後は東洋大から拠点を移し、個人でメニューを組み立てながらトレーニングしていた。 また、所属する旭化成の担当者は「事実関係を確認中」とし、「無実を信じて対応していきたい」とした。 なお、池田の資格停止は暫定的なもので、AIUも「資格停止処分は無罪推定を否定するものでも、早期に有罪を認めるものでもない」と明記している。今後、正式な裁定が下されることとなる。
月陸編集部