千葉県の成田山新勝寺に襖絵28面帰る 福島県二本松市の大山忠作美術館15周年記念特別企画展で展示
福島県二本松市の大山忠作美術館の開館15周年記念特別企画展「大山忠作襖絵(ふすまえ)展~成田山新勝寺襖絵『日月春秋』」で展示された襖絵28面が22日、千葉県成田市の成田山新勝寺に戻り、光輪閣に収められた。門外不出の巨大な襖絵を大山忠作さんの故郷にそっくり移して公開する初のプロジェクトが完了した。 大山忠作さんの長女で俳優の大山(一色)采子さんと、企画展を主催したNPO法人まちづくり二本松の安達秀司理事長(大山忠作美術館長)らが新勝寺を訪れ、伊藤照節寺務長に開催の成功と感謝を伝えた。東京マルイ美術の社員らが襖をはめ込み、大山忠作美術館の東前智恵学芸員、二本松市教委文化課文化振興係長の佐藤真由美学芸員が状態を確かめた。 采子さんは「日輪の間」に収まった「日」と「瀧桜(春)」、「月輪の間」に収まった「月」と「楓(秋)」の襖絵を見ながら「父が終生の画業として描いた襖絵が、これからも新勝寺とともに永く在り続けることはうれしい」と笑顔を見せた。境内の聖徳太子堂にある大山さん作の「菊」など6面の板絵も鑑賞した。確認に立ち会った新勝寺職員の大竹裕さんは「大山先生は『襖は襖として使い続けてほしい』と言い残された。またしばらくお預かりします」と応えていた。
同展は10月1日から11月17日まで開催され、2万7674人が来場した。安達理事長は「大きな話題となり、まちづくりにも好影響があった」と語った。